ボランティアセンター「サロンなごみ」を開設した寺尾地区社協の会長を務める 中山 惠之さん 市内寺尾釜田在住 76歳
「福祉は奥が深い」
○…「福祉を中央から地域に分散化しなければと思った」と、新たな地域福祉拠点設立の理由を話す。「中央」とは、福祉会館や公民館のこと。日々の見回りで「話し相手がいない」「遠くだと行くのが大変」という声が多く、身近な場所に交流拠点を作り地域で支援していく必要性を強く感じた。気軽に立ち寄り、話し合いや趣味に興じれる場所を提供することで、独居高齢者や障害者が家に引きこもりがちになるのを防ぐ。
○…71歳で退職後、2009年に同地区社協に副会長として加入。「引退したら地域の活動に携わるつもりでいたけど…まさかいきなり副会長とは思わなかった」と大きく笑う。3代目会長には昨年5月に就任した。話し好きで、勤めている時に講師資格を取るため「話し方教室」に通ったこともあるそう。海外出張でアメリカに半年ほど滞在したため資格取得には至らなかったが、「あの時学んだ技術が今の活動ですごく役に立っている」と話す。
○…生まれは横浜。7歳の時、戦争で現在の都筑区に移り、結婚を機に瀬谷区に。55歳で綾瀬に土地を購入し居を構えた。NECで技術部を経て管理者として現場を任され、半導体やICの製造・開発を行ってきた。最後3年間は200人ほどの会社の社長も務めたそうだ。趣味のゴルフが日々の楽しみで、「仕事の付き合いで始めたんだけど面白くなっちゃって。今は仲間と月2回くらい行ってる。ゴルフできなくなったらもうダメだな」と冗談めかして笑う。
○…「今は週2回だけど、目標は平日のサロン常設」と一転、真剣な面持ちで話す。常設のためには運営資金の確保やボランティア育成など、課題は山積みだ。しかし、「福祉は知れば知るほど奥が深くて大変だけど楽しんでやってる」と、そんな苦労もどこ吹く風。「市内14の地区社協に同様の取り組みが広がってくれたら」と、真っ直ぐな目で綾瀬の福祉の未来を見据えた。