全国的に急増している振り込め詐欺が、綾瀬市内でも多発している。昨年1年間で大和警察署に出された被害届は2012年の1件を大きく上回る19件で、被害総額は4340万円。「オレオレ詐欺」が15件と最も多く、次いで市役所職員を名乗る「還付金詐欺」が3件だった。
一番被害が多かったのが、子どもなどを名乗る「オレオレ詐欺」。身内を心配する心の隙に入り込み人の心理を操る詐欺で、被害者は女性や耳の遠い高齢者が多いのが特徴だ。
最も多かったのは、電車やタクシーに忘れた鞄の中に会社の金があるというもの。「このままではクビになってしまう」と、振り込みを依頼してくる。
最近ではこれを応用したもので、息子を名乗る男から「コンビニのトイレに携帯電話ごと鞄を忘れた。店員からそっちに電話がいくと思う」と、電話がくるパターンも確認されている。
市市民協働課によると、「この詐欺はかすれたような声で電話してくることが多い」という。「声が違う」と疑うと、「風邪(インフルエンザ)で声がおかしい」という言い訳を持ち出してくる。
市職員名乗る還付金詐欺も増加
最近では、市職員などを名乗る還付金詐欺も増加している。「綾瀬市役所保険医療課」や「社会保険事務所」という実存しない架空の部署から「還付金がある。今日で期限が切れるので、早急にコンビニATMで手続きして欲しい」と電話がかかってくるものだ。
表示される電話番号はフリーダイヤルの0120や、東京の03ナンバー。「綾瀬の番号じゃない」と疑うと「厚生省とのやり取りになる」と切り返し、電話で操作を指示する。
本人は振り込まれるためのものだと思っているが、実際に行っているのは振込手続き。中には途中で疑いながらも相手に押し切られて振り込んでしまうケースもあり、未然に気づいたものも含め市市民協働課に8件ほど情報が寄せられている。
「振り込め」知りながら被害に遭うケースも
振り込め詐欺は年金受給日や、税金申告がある年度末に増加する傾向にある。どちらも共通するのは、「自分は大丈夫」という思い込みから冷静な判断力を失い、被害に遭ってしまう。
中には普段、振り込め詐欺の注意喚起を行っている人が被害に遭う、「それは詐欺だ」という周囲の注意に耳を貸さず振り込んでしまうというケースもある。
同課では「市役所が還付金をATMで手続きさせることは絶対にない。子どもを名乗る電話にしても、お金を振り込んで欲しいという話をされたら一度電話を切り、大和警察署(【電話】046・261・0110)に連絡をして欲しい」と注意を呼びかけている。
「ナンバーディスプレイの知らない番号には出ない、非通知拒否設定をするなどの対策を。詐欺師は自分の声を残すのを嫌がるので、留守電も有効な手段」と同課では話している。
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