県が「かながわスマートエネルギー構想」に係る新たなビジネスモデルの事業者公募を、市内早川城山住宅地で開始した。複数住宅の「屋根貸し」による太陽光発電設備設置事業で、同構想における県内初の取り組み。事業者と屋根を貸す住民の双方にメリットを生み出すことで、再生可能エネルギーの普及につなげるビジネスモデルとして検証する。
県が推進する「かながわスマートエネルギー構想」は、太陽光を中心に再生エネルギーなどの導入を行うもの。「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」を組み合わせ、効率的なエネルギー需給を地域で実現しようという取り組みだ。
「屋根貸し」は同構想における「創エネ」の取り組みの一つ。公募した事業者に県有施設や民間施設の屋根を貸し、ソーラーパネルを設置してもらうことで電力を生み出す。
事業者は売電することで、太陽光ビジネスとして利益を得ることができる。2012年7月から始まった「再生エネルギーの固定価格買取制度(全量買取・期間20年)」を活用するため発案され、現在では県立高校など県有37施設、福祉施設や商業施設など民間約370施設で「屋根貸し」が行われている。
県有施設や民間施設の「屋根貸し」の有用性を受け、県が一般住宅での検証を行うため各市町村にモデル地区の公募を行ったところ、綾瀬市が手を挙げた。
戸建住宅に導入するためには複数の住宅の屋根に設置し、10kw以上の発電能力を確保する必要がある。市内の早川城山地区は近年開発が進んだ住宅地であり、要件を満たしていたためだ。
「今年度から始まった第二次環境基本計画に、温暖化防止や二酸化炭素削減に関する項目がある。この取り組みは、市の環境政策ともマッチしていた」と、市環境政策課は応募の理由を話している。
県地域エネルギー課では、「長期間屋根を貸すことへの抵抗や、年5千円程度と安い使用料から戸建住宅への導入は難しいのが現状。公募事業者には屋根貸しの使用料の値上げや試用期間の短縮、使用が終わったソーラーパネルの無償提供など、地域住民にもメリットのあるプランを提案してもらい、ビジネスプランとして検証し普及していく」としている。
事業者の選定後は地域住民に説明会を開き、「屋根貸」の意向を調査したあと希望者から選定する。設置戸数は50戸程度が想定されている。
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