市は今月14日、笠間家のギンモクセイ、上土棚南遺跡出土の土偶等、早川城山(じょうやま)遺跡出土の奈良三彩、びわみ堂遺跡出土の板碑(いたび)の4件を、新たな市指定文化財に指定した。同文化財の登録は15年ぶり。市生涯学習課では今後、市民への公開を検討している。
4件の中で唯一、植物として指定されたギンモクセイは樹齢130年と推定されており、県の名木100選にも選定されていた。「天然記念物」に分類され、市内では五社神社の椎の大木に続き2件目。100年を超える樹齢でありながら、きれいな形を保っていることが評価されたという。
上土棚南遺跡は市の南東部、比留川と蓼川の合流地点南側に広がる台地上に位置する村跡。建物の建築等で順次行われた調査で発掘された土偶等祭祀・装飾関連遺物が一式、指定された。
これらが使用されていたとみられる縄文時代後期(約3500年前)は気候の冷涼化などで社会不安が増し、人々が儀礼に力を入れ始めた時代と言われている。同遺跡の土偶等は、儀礼的社会になった当時の特徴を示す遺物となる。
落合小付近に位置するびわみ堂遺跡の板碑は、20年ほど前に行われた2回の調査で発見された。鎌倉時代(約700年前)の石でできた供養塔で、現代の卒塔婆にあたるものだ。
市文化財には発掘された28点の板碑が指定されている。当時の信仰を伺い知ることができる貴重な資料である点が評価された。
奈良三彩は緑・黄・白の3色の釉薬(ゆうやく)をかけた、約1500年前の国産の陶器。1999年に行われた早川城山公園再整備工事に伴う事前調査で、発掘された物だ。
指定されたのは、小壺蓋の一部。奈良三彩は県内出土例が10例に満たないという希少性や、復元図から推測される用途などから、中央政府と結び付きのある位の高い人の所有物だったと考えられている。
「時期はまだ決まっていないが、市役所3階通路にある神崎遺跡展示のあたりで、一部を公開できたらと考えている」と市生涯学習課では話している。
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