2015年の幕開けにあたり、本紙では笠間城治郎綾瀬市長に恒例の特別インタビューを行った。(仮称)綾瀬スマートインターチェンジの本格的な事業化やシティセールスへの様々な取組が行われた昨年を振り返りつつ、新年度への抱負などを語ってもらった。(聞き手/綾瀬編集室 綾部貴教)
――あけましておめでとうございます。まずは2014年がどのような1年だったかをお聞かせください。
昨年も市政推進にご協力を賜りました事に厚くお礼申し上げます。
昨年を振り返りますと、各地で自然災害が発生した年でした。8月の西日本の豪雨による広島市北部などの土砂災害、9月の御嶽山噴火、さらには11月の長野県北部の地震など、生命・財産に大きな影響を及ぼすものでした。本市でも、2月に過去に経験した事のないような大雪に見舞われましたが、地域の皆さんによる協力や建設業関係者による迅速な作業により、早期に復旧ができたとの評価をいただきました。
また、10月の台風18号では道路の冠水や住宅の浸水などに加え、土砂災害も発生し市民生活に大きな影響を及ぼす事になりました。その際にも地域の皆さんには片付け作業などにご協力いただき、大変力強く感じたところです。いずれにしても自然災害の恐ろしさと、万一の備えの重要性を再認識しました。市としても国や県への河川の溢水対策の働きかけを継続すると共に、洪水調整施設の整備等を検討しているところでもあります。さらに土砂災害に備え、注意が必要な区域と避難所などをお知らせするハザードマップの作製や防災行政用無線のデジタル化にも着手し、安心して暮らせるまちづくりを推進しております。
一方、市民の活躍に目を向けますと、特に高齢者や子どもたちが活躍した1年だったのではないでしょうか。3月と8月には、子どもたちが自ら仕組みやルールを決め、主体となって社会の仕組みを疑似体験する「こどものまちミニあやせ」を開催しました。いずれも約800人もの小中学生が参加し、子どものまちで働き、遊び、多くの事を学んでくれた事と思います。
また、本市は全国的に見ても要介護認定率が低く、元気な高齢者が多い事が自慢です。スポーツや文化、地域活動などでも多くの高齢者が活躍しています。そのような中、10月には内閣府が表彰する「エイジレス・ライフ実践者」に市内の3人が選ばれました。この表彰は自らの責任と能力で自由に生き生きとした生活を送ったり、積極的に社会参加活動に取り組んだりしている高齢者が表彰されるもので、全国から選ばれた65人の内3人が本市民だった事は大変誇らしく思います。生き生きと暮らす高齢者や活発な子どもたちの姿にたくさん勇気づけられ、活躍の場を提供できた事に喜びを感じた1年でした。
綾瀬の魅力発信とインター事業本格化へ
――昨年はシティセールスのための様々な取組が新たに始まりました。現在の状況や今後の展望をお聞かせください。
市の魅力を内外に伝えると共に郷土への愛着や誇りを持ってもらおうと昨年、原動機付自転車用ナンバープレートのデザインを募集しました。このほど、そのデザインが決まり今年2月から交付を始めます。ご当地ナンバープレートを多くの方に付けてもらい、本市の魅力をPRすると共に、ふるさと綾瀬に愛着や誇りを持っていただきたいと思います。
また、昨年4月に立ち上げた綾瀬ロケーションサービスでは、これまで制作会社から120件を超える問い合わせが寄せられ、既にドラマや映画、CMなどの撮影が行われています。聞くところによりますと、ロケ誘致開始早々にこれだけの問い合わせが寄せられると共に多くのロケ実績を作った事は、例を見ないとの事です。市と市民有志が協働でエキストラやロケ候補地などを募集し、ロケ誘致に対応している事が強みではないかと考えています。この綾瀬の強みを活かしながらロケ地発掘やグルメメニュー・特産品の開発などを進め、綾瀬の魅力を全国に広めていきたいと考えています。
さらには、綾瀬の観光を創出しようと「まち歩きツアー」や「観光オープンセミナー」の開催など活発にシティセールスに取り組んだ1年でした。こうした取り組みをさらに進めると共に、定住促進にもつなげていきたいところです。
――今年度当初予算に関連予算がつき、綾瀬スマートインターチェンジもいよいよ動きが本格化してきました。今後の動きや展望などをお願いします。
(仮称)綾瀬スマートインターチェンジについては昨年度から建物などの補償調査を行っており、いよいよ用地交渉に取り掛かるところです。インターチェンジを基軸とした既存商工業活性化や新規事業参入など、インターチェンジのポテンシャルに期待を寄せています。このポテンシャルを有効に活かせるよう、住環境に配慮しながら周辺道路の整備など計画的にまちづくりを推進していきます。
元気・産業・教育3つの力に重点
――2015年度の重点事業を教えてください。
予算編成途中ですので細部まで説明できませんが、予算の取り組み方針を紹介します。
私は市民生活重視の施策として、「5つの力・プラス1の力」の政策に取り組んできました。来年度予算については6つのテーマのうち、特に3つを重点的に取り組む事としています。
まず「元気の力」です。健康寿命の延伸、子育て環境の充実に取り組みます。次に「産業の力」です。2017年度末までの開通を目指し、県、中日本高速道路(株)と共に開始した(仮称)綾瀬スマートインターチェンジとその周辺交通環境の整備を推進します。また、産業の振興と雇用の確保にも取り組みます。3つ目に「教育文化の力」です。子どもたちの確かな学力向上のために教育環境の充実を進めます。
――2015年度予算の見通しはいかがでしょうか。
回復基調であった景気は昨年の消費税増税による影響などにより足踏み状態となり、再増税は延期されました。株価の上昇や一部企業での業績好調が伝えられているものの、多くの市民や中小企業にはその実感は薄く、市税をはじめとする自主財源の増加は見込まれない状況です。
また、歳出面でもインター関連経費の増や市民ニーズへの多角的な対応、高齢化などによる行政需要の高まりを受け大変厳しい予算となる見込みです。皆さんと共に英知をしぼりながら、財政運営に当たってまいります。
――今年1年の抱負と市民の皆様へのメッセージをお願いします。
今年も職員と共に一丸となって行政運営に誠心誠意取り組みますので、引き続き市民の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
本年が皆様にとって幸多き年となりますよう、ご祈念申し上げます。
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