広告費換算 1億2千万円の試算
綾瀬ロケーションサービスが2月18日、市役所3階会議室で市民向け報告会「第1回綾瀬ロケーションサービスシンポジウム」を初めて開催した。順調な滑り出しを見せる取組みの現状を市民に周知すると共に、同日には様々な団体とスムーズな連携を図るための推進協議会を設立。ロケ誘致への体制を強化し、次のステップに臨む姿勢だ。
地元に元気と活力を創出するための事業「あやせ商業者パワーアッププロジェクト」から生まれた綾瀬ロケーションサービスは、ロケ誘致やロケ弁などご当地グルメ開発で全国に綾瀬市を発信し、地域を盛り上げることを目的にしている。昨年4月に市民有志で組織された「ブタロケ隊(比留川実リーダー)」が主軸になり、市と商工会と連携して活動している。
ブタロケ隊結成から10カ月。窓口の市商工振興課には171件の問合せが寄せられ、27件の撮影が決定している。ロケ地情報誌「ロケーションジャパン」での”綾瀬の知名度の低さを逆手に取ったPR手法”や、事務局の対応の良さが制作会社から評判を呼んでいるのだという。
撮影で市内を訪れた芸能人は100人超。最近では「銭の戦争」のほか、3月28日から全国で上映される「忘れないと誓ったぼくがいた」で綾瀬高校をロケ地に撮影。同校生徒もエキストラとして出演している。
「これまでに綾瀬が映ったシーンの時間を広告費用換算で試算すると、約1億2千万円に相当する」と商業振興課は話す。当日のセミナーで講師を務めた(株)地域活性プランニングの藤崎慎一代表も成田ロケーションサービスの成功事例を示し、「成田は4年2カ月で問合せ420件。綾瀬はこれを上回るペース」と、綾瀬の街が秘めた可能性を参加者90人の前で語った。
また、市商工会とブタロケ隊グルメ部会がロケ弁のおかずの1品として共同開発してきたメンチカツの試食も実施。ブルーベリークリームチーズメンチに加え、「かてメシロール」や、キンピラ入りメンチを挟んだ「パオメンチ」を実食し、アンケートデータを収集した。
さらにシンポジウム後、新たな取組みとして市内各機関と横の連携を作り撮影をスムーズにするため、「綾瀬ロケーションサービス推進協議会」が設立された。「警察、バス・鉄道会社などに加え、『市の取組みなら』と海上自衛隊第4航空軍司令部や、米海軍厚木航空施設渉外部も加盟してくれた。基地を使った撮影の可能性が出たことは、大きな強みになるのでは」と商工振興課は期待を寄せた。