市が「工業振興業務連携・協働に関する協定」を、八千代銀行(田原宏和取締役頭取)・かながわ信用金庫(平松廣司理事長)と7月7日、市役所7階展示ホールで締結した。行政と金融機関が一体となった工業振興と企業誘致に特化した協定は、県内初の取組みとなる。
同協定は行政と金融機関が持つ知識とノウハウを共有し、市内中小企業の技術力向上や販路拡大などを支援していくもの。起業・創業支援や各種補助金・助成金申請の支援と資金調達、相談業務やセミナー、企業間マッチングなど様々な項目が盛り込まれている。
目指すは「綾瀬ブランド」
提携の提案は、金融機関側から寄せられた。市に企業誘致の部門が設立された当初、東京の豊島区や町田市で同様の取組みを行っている八千代銀行から打診されたという。
市側の受け入れ態勢が十分でなかったため提案は保留されていたが、昨年設立されたかながわ信金から同様の打診を受けたのを機に、再検討された。「体制が整ったこともあり、協定締結に踏み切った」と市商工振興課は話す。
金融機関と行政が協定を結ぶケースは他でもあるが、工業振興と企業誘致に特化したのは綾瀬独自のもの。今後は県内第4位の企業集積数を持つ市の工業を「あやせ工場」という1つの工場に見立て、綾瀬ブランド「made in ayase」製品創造を目指す。
協定を受け田原頭取は、「一生懸命汗をかき、綾瀬市と勉強しながら三位一体で盛り上げていきたい」と意欲を語る。平松理事長も「今協定はとても意義のあるものだと思う。地域の信金としての役割を果たしたい」と、意気込みを述べた。
さがみ野・海老名・大和・高座渋谷に支店持つ八千代銀行は、市内約140社との取引実績をもつ。かながわ信金も市内に新支店を設立し中小企業支援に力を入れるなど、両金融機関とも綾瀬と深い繋がりを持つため協力体制を提案していた。