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農家目線の通販サイト構築 「とれたぶんだけ.com」

経済

掲載号:2016年8月26日号

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中島賢太社長(左)と社員の広賀剛さん
中島賢太社長(左)と社員の広賀剛さん

 市内の金属加工会社「株式会社ナック」(中島賢太代表取締役社長)が、別会社「株式会社ソアー」を立ち上げ、農業生産力を高めるための事業を新たに展開している。全国の農家と提携し、生産者目線に立った農作物通販サイト「とれたぶんだけドットコム(.com)」というユニークなWebサイト運営を行っている。

 とれたぶんだけドットコムは、北海道から九州まで全国約20の提携農家から毎月、農作物が送られてくる通販サイト。登録会員は月々5千円、8千円、1万円、1万5千円の4コースから選ぶことができる。

 同サイトがユニークなのは、その発送方法。農家がその時採れた野菜を、採れた分だけ送るという手法を取っている。

 そのためどの農家から、どんな野菜が、いつ、どれだけの量送られてくるかは箱を開けるまでわからない仕組みになっている。箱も農家名の段ボールではなく無地の物を使い、サイト名の入ったステッカーのみが貼られている。

新たな流通の形に

 「他と同じことをやっても面白くない。購入する人に、ワクワクとドキドキを届けたかった」と、中島社長は話す。消費者に「お得と楽しみ」を届けながら、農業生産力を高める取り組みに踏み切った背景には、同じ生産者としての強い思いがあった。

 市役所隣の畑で農作業をする人たちの姿を、いつも見ていたという中島社長。「あんなに一生懸命働いても、採れすぎたり不格好だったりで廃棄されてしまう野菜ってあるでしょう。工業製品と同じで日本の農作物は品質が高いのに。それを発信する方法がないかと考えたのが始まりでした」と胸の内を語る。

 ネット運営を委託している会社と2年がかりで温めたものを形にするため、昨年5月にソアーを創業し準備に取り掛かった。通販システムを一から構築し、思いを共有できる提携農家を探した。

 集まった農家は2代目や3代目として家業を継いだ30〜40代が多く、「農業を何とかしたい」という思いから中島社長の趣旨に賛同している。今では紹介やサイトを見て知った農家からの問合せも寄せられているそうだ。

 会員はSNSを使って募り、20人ほどが登録されている。初出荷は昨年12月に行われているが、これまではプレオープン期間として会員は増やさず、利用者からの意見を吸い上げ課題を洗い出してきた。

 「会員、生産者、我々社員。みんなが幸せになれるシステムを構築したい。これを農産物の流通の一つの形にすることができれば」と、中島社長は話す。

こだわりは「産地直送感」発送に立ち会う徹底ぶり

 サイトを運営する上で最も重要になるのが、箱を開けた時の満足感。この瞬間をいかに「ガッカリ」ではなく喜びにするかには細心の注意を払っている。

 そのため中島社長と社員の広賀剛さんは出荷の場に立ち会い、中身を精査しているという。「微妙なニュアンスは実際に会って話をしなければ伝わらない。ここが一番、丁寧にやらなければいけないところ」と、こだわりを覗かせる。

 登録者に満足を届けるため、社長と広賀さんは試行錯誤を繰り返したが、中には思いもよらない失敗もあった。良かれと思ってやったことが、裏目に出てしまったのだという。中身を豪華に、小ぎれいにまとめてしまったために「こんな物を求めているんじゃない」という厳しい意見をもらったこともあるそうだ。

 「必要なのは産地直送感であって、パッケージングではなかったんです。自分たちは力作だと思いましたが、趣旨がズレてしまっていたんです」と自省する。

年内の会員増強目指す

 同サイトの趣旨を理解し楽しみにしてくれている会員を、同社では「チームおひとよし」と名付けている。また、かつてよく見られていた「お裾分け文化」を大切にし、コミュニケーションツールにしてもらうため箱の中に「お裾分けカード」を封入している。

 他にも、その時に届ける農家が自社PRのためのチラシを入れられるようにするなど、柔軟な対応も行っている。消費者がその農家を気に入れば、直に注文することも可能になる。

 とれたぶんだけドットコムは現在、本格稼働を始めており、会員増強の体制を年内中に整えていく。「今後は収穫映像を載せたり、収穫体験のようなイベントができるようなサイトに成長させたい。飲食店とのコラボや、農家の花嫁募集なんかも面白いですよね」と、中島社長は展望を語った。
 

Webサイト画面
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