バザール商店街内にあるコミュニティビジネス「花いちもんめ」(綾西4の19の4)が、5月15日で開設丸6年を迎える。市内初のモデルケースとして始まった取り組みは手弁当ながら口コミで広がりを見せる反面、新たな課題も生まれている。
コミュニティビジネスは人材や施設など地域資源を活かしながら、ビジネスの手法で地域が抱える課題を解決するための事業。市内で高齢化率が顕著だった綾西地区の有志が、「高齢者が集まれる場所を作りたい」と準備委員会を立ち上げ、他市の取り組み視察や勉強会を重ねた。
その後、バザールにできた空き店舗をメンバーが出資して借り、花いちもんめを設立。働いている人たちは全員ボランティアで、運営や企画は全て手弁当。最初の3年は市と県の補助金を活用していたが今は店の売上のみで維持している。
地域の集いの場に
花いちもんめは当初、喫茶・レストラン事業や弁当販売、定期コンサート等イベント事業などから始まった。今では毎月第2土曜の「映画会」や、第4木曜の「うたごえ喫茶」、第2月曜の「歌体操」、第4月曜の「短歌」などバラエティに富むサロン事業も実施。コンサートも毎回、定員いっぱいになる人気企画になっている。
また、最近ではスタッフ・来店者同士の会話や食事を楽しみに訪れる人も増えてきている。市内だけでなく、隣接する海老名市から足を運ぶ人も少なくない。その他、閉店後(午後4時以降)は会議や教室など貸室として利用されるなど、地域コミュニティの核としての役割が浸透しつつあるようだ。
進むスタッフの高齢化
地道な活動が徐々に身を結ぶ一方、スタッフの高齢化という切実な課題も抱えている。
現在、最年少が73歳で平均年齢は80歳近く。簡単な手伝いをしてくれる人たちはいるが、メンバーは開設当初から増えておらず、高齢化による減少が危惧されているのが実情だ。特に弁当とランチはメインで作る2人がリタイアすると、売上の核を失うことになってしまう状況だという。
課題解決のために時給を出す案も出たが、現在無給で働いているスタッフへの対応や、家賃支払いが困難になる可能性など、新たな問題が生じてしまう。「ここにくれば仲間がいるし、自分の役割もあるから生活に張りが出るから楽しい。楽しみにして来てくれる人たちも増えてきたので、新しい人材をいかに掘り起こすかが今後の課題」とスタッフの一人は話す。
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