新春特別企画 愛川町・清川村首長インタビュー
2012年の幕開けにあたり、本紙では山田登美夫愛川町長、大矢明夫清川村長に新春インタビューを行った。話しの中で山田町長は、第5次愛川町総合計画に定めた将来都市像の実現に向け町民と協働のまちづくりを強調。また大矢村長は子育て支援の拡大・拡充とともに生活交通の利便性の向上による人口増対策への取組みを掲げた。
山田登美夫愛川町長
――まずは今年の抱負をお聞かせ下さい
「昨年『第5次愛川町総合計画』がスタートし、今年は2年目に当たります。総合計画では、将来都市像を『ひかり、みどり、ゆとり、協働のまち愛川』と定めています。厳しい財政状況が続き、課題も山積しておりますが、まちづくりの主役である町民皆さんと協働し、力を合わせて将来都市像の実現に向け邁進してまいりたいと考えております」
――昨年を振り返ってどのような感想をお持ちですか
「厳しい財政状況の中にありましても、幣山下平線の開通や新保健センターの建設に向けて基本・実施設計の着手、中津南保育園大規模改修、小中学校の普通教室等への扇風機の設置、高等学校入学準備金助成制度の開始、町内循環バスのルートやダイヤのリニューアル、『みんなで守る環境美化のまち条例』の制定など、町民生活重視の多くの事業ができましたことも、町民皆さんのご理解とご協力の賜物と感謝しております」
――新年度予算編成における基本姿勢をお聞かせ下さい
「一時は回復基調にあった我が国経済も、急激な円高や海外経済の減速などにより低迷を続けており、地方財政への影響も予断を許さない中、財源確保と歳出全般にわたる、より一層の見直しが急務となっております。
行政サービスの低下を招くことのないよう、徹底的に無駄を排して歳出構造のスリム化を図り、お子さんからお年寄りまで、誰もが健康で安心して暮らせる各種の施策を実施してまいたいと考えております」
――生活交通対策、とくに鉄道誘致について現状をお聞かせ下さい
「平成12年の運輸政策審議会の答申で、小田急多摩線の唐木田駅からJR横浜線、相模線方面への延伸が、今後整備を検討すべき路線として位置づけられています。
こうしたことから、厚木市、相模原市、清川村と愛川町で構成する小田急多摩線の延伸促進に関する連絡会で、本年度からJR相模線上溝駅からさらに愛川・厚木方面への延伸に向けた調査に取り組み始めたところであります。今後とも、近隣市町村や関係機関・団体との連携を一層密にし、本町への鉄道誘致に向けた取り組みを進めてまいります」
――愛川町の観光キャラクターも決まりましたが、町の観光振興について具体策をお聞かせ下さい
「愛川町は相模川・中津川の清流と、丹沢山麓に連なる山々のみどりに育まれ、美風人心を大切にしながら、良質な産業、歴史、文化を培ってきました。都市環境との調和もとれた魅力あふれる町です。
こうした町の魅力を町内外に発信するため、さまざまな企画やイベントの場で観光キャラクター『あいちゃん』を活用し、愛川町をPRしてまいりたいと思っております」
――最後に読者にメッセージをお願いします
「現在直面する財政問題、少子高齢化、環境問題などは、どれをとりましても一朝一夕には解決しない大変困難な課題であります。このようなときこそ、ピンチをチャンスと考え、一歩一歩堅実に、町民皆様とともに、より良いまちづくりを進めていくことが私の使命と考えております。さらなるご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げます」
大矢明夫清川村長
――まずは今年の抱負をお聞かせ下さい
「村内でとれる農作物の安全・安心を確保します。また、乳幼児などを始めとした住民皆さんの健康不安を解消するため、昨年購入した放射能測定器を使い、村内各所を検査するほか、公的検査機関や大学などにご協力いただきながら精密検査などを継続実施していきます」
――昨年を振り返ってどのような感想をお持ちですか
「長引く経済の低迷の中、卯年の飛躍を期待していましたが、昨年3月11日に発生した東日本大震災、そして福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故、長野県栄村での大地震、新潟・福島両県での豪雨による洪水、紀伊半島を中心に猛威を振るった台風12号の土砂災害など、災いの多い年でした。
それでも、被災地の皆さんは懸命に頑張っています。そして、日本中の皆さんが支援しました。まさに、『絆』につながれた年でした」
――新年度予算の中でどのような施策を重点的に進めますか
「財政状況が厳しい中、子育て支援や高齢者福祉施策を従来に増して強力に進めるとともに、道路橋梁などの計画的整備や自治会館を新設するなどのコミュニティーの推進、また、村営住宅の整備などの人口増対策に取り組んでいきます」
――清川村への定住促進について考えをお聞かせ下さい
「誰もが『住んでみたい、住み続けたい村づくり』を目指し、生活環境の充実に努め、安全・安心に、そして自然と調和した住みよい村づくりを進めるため、民間から住宅を借り上げて村営住宅として活用する借上型村営住宅推進事業や、次代を担う子どもたちを育む村づくりを進めるための子育て支援策の拡大・拡充などのほかに、通勤・通学など生活交通の利便性を向上させるための公共バスを充実させていきます」
――村内産業の活性化についてどのようにお考えですか
「国内経済が振るわない上、本村全域が水源地、自然公園に指定されているため、土地利用に規制が多い。そのため、産業活性化は厳しいと考えています。
施策としては今後も、観光や商工、特産品の開発などでの活路を見出していきます」
――最後に読者にメッセージをお願いします
「東日本大震災、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故など引き続き試練は続くと思われますが、村民皆さんの安全・安心に全力を傾注しつつ、将来に希望を継げる『前へ前へ』といった気持ちで、施策に取り組んでいきます。
皆さんと共に手を携え、『明るい』村をつくっていきたいと考えています。村民皆さんの声を大切に、小さな村でなければできないきめ細かなサービスを進めてまいりますので、皆さまの村政に対するより一層のご理解とご協力をよろしくお願いします」
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