地域防災を呼びかけるあいかわ町災害ボランティアネットワーク代表 石田 安秀さん 愛川町半原在住 67歳
「自治会で防災に目ざめた」
○…「災害を完全に防ぐことはできないけれど、被害を減少させることはできる」。2009年に設立したあいかわ町災害ボランティアネットワークは、会員相互が日頃から訓練に努め、「減災」に関した情報発信と啓発活動を行っている。また、災害時には助け合える体制づくりを目的に、行政や町内の活動団体ほか、近隣市町と顔の見える関係づくりにも余念がない。「防災には、日常的に交流のある土壌、これが大切なんです」と力を込める。
○…活動のキーワードは「減災」と「受援力」だ。活動柄よく団体の訓練に招かれるが、その際繰り返し呼びかけるのは「日頃から災害対応に関する知識を高め、備えを強化してほしい」ということ。そしてもう1つが被災した際に支援を受ける側としての準備だ。ボランティアの想いと力を十分活かすには、受け入れ態勢の整備が不可欠。災害時に開設されるボランティアセンターでのコーディネート機能を担うため講座受講や訓練を繰り返し、対応力を高めている。
○…仕事一辺倒で地域のことなど考えていなかったことに気づいたのは20年ほど前。身体を壊したことがきっかけだった。そして一念発起し、自治会活動入り。担当は防災。以来、これが自身のライフワークに。定年後はボランティアの準備も開始。地域防災インストラクター、応急手当指導員、アマチュア無線、大型特殊、玉掛け、フォークリフトなど役立ちそうな知識と資格の取得に取りかかった。
○…寝るときは携帯電話は枕の下。外出時のバッグには予備バッテリーも。「いざという時、通話ができるかどうかは別として、灯りになるからね」と。情報発信ツールとしてパソコンの勉強も続けている。今後について聞くと「組織の継続が強く求められる。いい意味で人目につくようにしたい」と結んだ。