タウントピックス 管巻き唄を後世へ 町民謡保存会が伝承活動
愛川町民謡保存会(小島秀也会長)が町指定無形民俗文化財「管巻き唄」の伝承に向けて活動を進めている。当面の目標は10月に行われる「ラビンプラザまつり」での発表で、現在練習の真っ只中だ。
「管巻き唄」は、愛川町の地場産業として知られた八丁撚糸の工程における仕事唄だ。八丁撚糸で糸を撚る前に行うのが「管巻き」という工程。絹糸を数本合わせ、長さ20cm位の篠竹に巻きつける作業だが、適度の固さで紡績巻きにする必要があり、とても根気のいる作業だったという。
「半原よいとこうしろは山よ 前は川瀬で水車 アブンブンブーンブン」―。八丁撚糸機が水車の動力で動いていた昭和初期頃まで付近の工場にはこの唄が響いたという。しかし電力化が進むにつれ、いつしか唄声は忘れられていった。
町民謡保存会は昭和40年ごろに設立。地域に伝わる歌や踊りを後世に受け継ごうと行事などで披露してきた。しかしここ最近は、会員の減少と高齢化により思うような活動ができていなかった。
こうした現状を憂い、現メンバーらが動きだしたのがおよそ3年前。伝統文化を学ぶ中学校での特別授業に参加するなど伝承に向けた活動を本格化した。現在は月1回ペースで定期的に練習を続けている。会員も賛助会員を含めると20数名にまで増えてきた。
練習を重ね、唄や踊りも次第に形になり、7月28日(土)にはJAデイサービスセンターあいかわで施設利用者向けに発表会を開く。小島会長は「披露というより、練習を重ねた会のみんなが人前できちんとできるかの度胸試しですよ」と笑顔で話した。