町内外で活躍するボランティアグループ「あシボ」の代表 遠藤 幸夫さん 愛川町半原在住 73歳
会社人間から社会人間へ
○…一人暮らし高齢者や障害がある人などの依頼を受けて庭木の手入れや電球交換、送迎などを行う男性のみ29名からなる「あシボ」。愛川シニアボランティアグループの頭文字だ。「公的なサービスと近所の支え合いの間にはすき間ができる。そこを埋める何でも屋さんですよ」とにこやか。平成16年に町社協が主催したシニアボランティア養成講座をきっかけに発足し活動は8年目。自身は代表5年目を迎えた。
○…60代から80代まで人生経験豊富なシニア世代は技術と知識の宝石箱。現役時代に仕事や趣味で培ったその技で依頼者の手となり、足となり日々汗を流している。2010年には車椅子の点検整備事業を立ち上げ、町内3施設を訪問。この年は年間延べ334台を修理した。いまや活動は町内に留まらず、東日本大震災の被災地でも介護事業所で整備・補修を行っている。先月も現地へ行ってきたばかりだ。
○…「会社人間だった男たちが今、社会人間に脱皮しているんです」。かくいう自身も現役時代は仕事中心の生活で、地域に目を向けることはほとんどなかったくち。定年を前にした時、妻の勧めで参加した講座がきっかけで地域活動に踏み出せた。「そこには別の世界があった」と振り返るように、助け合う仲間も、感謝される喜びも、やり遂げる達成感もみんなあった。
○…健康第一、安全第一が合言葉。仲間うちで体力づくりと親睦を兼ねた月例ウォーキングは楽しみの1つだ。この他、技術アップを目的にメンバー持ちまわりで勉強会を開くなど「あシボ」は生活の中心にある。周囲は「気配りのリーダー」と評す。みんなの声を聴くことを大切にし、あらゆる準備を怠らないという。メンバーの1人が言う「死ぬまで代表をやってもらいたい」の言葉は最大級の賛辞と言えるだろう。