解体予定の建物を活用 愛川町消防署が災害対応訓練
愛川町消防署は1月10日から15日まで、解体予定の町保健センターを使用し、実践的な災害対応訓練を行った。期間中、訓練は延べ9回、消防隊、救助隊、救急隊の併せて70名が参加した。
今回の訓練内容は大きく2つ。1つは災害時を想定し、ホース延長や屋内進入要領を確認する火災防御訓練、もう1つは、ブリーチング訓練だ。ブリーチングとは、コンクリートの床や壁に隊員の進入や救助口として使用する穴(一辺90cmの正三角形)を作るもの。近年、鉄筋コンクリートの建造物が救助活動の妨げとなるケースが増えていることから、破壊用資機材の活用と素早く、安全で確実な内部進入・救出の流れを確認した。
訓練を終え、参加した隊員からは「実災害と同じように破壊や放水ができることは少ないことから、意識を高く持ち、取組むことができた」といった声が聞かれた。
愛川町消防署の吉川署長は「災害現場と同じ意識でできた訓練であったことや経験の少ない隊員が多く参加できたことで成果の上がったものとなりました。職員は訓練を積み重ね、有事に備えてもらいたい」と話している。
同署では2010年に旭硝子の中津共同住宅(4階建て)で消火・救助訓練を行っており、解体予定の建物を使った訓練は今回が2例目。今後も取り壊し予定の町営住宅(木造)を活用し、屋根を破壊して屋内に進入する救出訓練、火災建物を想定した防御訓練などを予定。震災に対応した実践的な訓練を積みながら隊員技術の向上に努め、公助の力を強化していくとしている。