かかわり隊として地域で様ざまな遊び塾を開いている 佐々木正一(まさいち)さん 愛川町中津在住 65歳
遊びを学びへ橋渡し
○…行政区の役員をしていた時、小学生の登校指導の依頼を受けた。信号も横断歩道もない通学路。登校時間帯、多いときには60台近くの車やバイクが行き来する交通量の多い場所だった。しかし、区として引き受けて、後々の役員に負担をかけてはいけないと別組織の立ち上げを思い立つ。それが今のかかわり隊だ。毎日の登校指導が始まり、協力者も増えてくると、活動は遊び塾の開催へと広がっていく。
○…子どもから大人まで地域の人たちが気軽にあいさつできるような関係づくりを目的に「遊び塾」と題した様ざまな仕掛けの種をまく。二井坂地区の児童館を会場にした講座はこれまで150回以上。参加はのべ600人にも上る。うどんづくりにペットボトルロケット教室、手づくり豆腐に昆虫採集と内容は多岐。「人は人の間でしか生きられない。関わりを生む場を提供しているだけですよ」と。大人もこどもも一緒に楽しむ、さしずめとってもながーい縦割り教室だ。
○…活動は3年目、手ごたえも感じている。講座の参加者が定着してきたことに加え、放課後や休日などでも子どもたちから声をかけられることが増えている。遊びをテーマにしていることについて聞くと「みんなでやると、遊びは真似びに、そして学びになる」と。今後は二井坂区にとどまらず、他の行政区にも広げていくとともに、冒険・探検プログラムなども見据える。
○…伊豆下田の出身。「他県に出て修行して来い」という父親の言葉で小学校教員として神奈川へ。いつも心にあるのは海岸線に続く田舎の景色。人と人の関わりによる温かさを身体中に感じて育った。今の活動の原点はここにある。ローズガーデン、登山に読書、海釣りと多趣味。「色々やって頭を柔らかくしておかないと、アイデアもでてこないからね」とほほ笑んだ。