愛川町半原の独園山清雲寺(北條圓居住職・愛川町半原836)に安置されている秘仏・如意輪観世音菩薩が11月2日と3日に公開される。初日には、読経など式典のほか、琉球大学名誉教授の小島瓔禮氏によるミニ講話も行われる。同寺の秘仏公開は12年ぶり。
如意輪観世音菩薩は、宝珠と法輪を手に座っていることから如意輪観音坐像とも呼ばれる。観音坐像の座高は約50cmで、通常は同寺の本堂奥にある厨子に大切に保管されている。観音坐像についての文献が少なく謎が多いが、坐像底部の墨書銘には「文永七年」と記されており、建立は鎌倉時代まで遡るとみられる。
もともとは半原村の樫原にあった観音堂に安置されていたが、明治六年、学制により初代半原小学校がこの観音堂がある場所に建てられたため、観音坐像は清雲寺に安置され、現在に至っている。
観音坐像を移動した際に多くの詳細な資料を紛失してしまったが、人々の願いを叶える仏様として地域に信仰され続け、延寿、除難のほか、特に安産の祈願として底抜け袋を奉納する慣習は今も伝えられ、12年前のご開帳でも袋を手に参拝する人の姿が見られたという。前回の公開にも立ち会った北條住職は「この機会に、ぜひ多くの方にお越しいただけたら」と話す。
公開は11月2日が午前10時から午後4時まで。公開初日となるこの日は、午前10時から読経と御詠歌奉詠の式典が行われた後、琉球大学名誉教授小島瓔禮氏によるミニ講話(参加無料)が行われる。3日の公開は午前10時から午後3時まで。拝観は無料。
詳しい問い合わせは【電話】046・281・0475同寺へ。
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