清川村史編さん委員会の委員長を務める 石川 武久さん 清川村煤ヶ谷在住 69歳
いろんなことに興味津々
○…平成28年の発刊を目指し、編集作業が進められている清川村史。実際の執筆は村外の専門家5人で構成する編集委員会だが、編集委員会の報告をチェックする役割を担うのが、村民9人で組織する編さん委員会だ。村史は江戸時代から平成まで約800頁のボリュームを見込んでいる。平成26年度から活動は始まり、現在も資料集めの真っ最中。「調べ始めたら、昔の名主さんの家から『年貢をどのくらいどこへ納めた』という書付などが出てくる」と身を乗り出す。
○…清川村では文化財保護委員会が簡単な村史を発行していたが、正式な村史は作成していなかった。注目を集める村史作成の経過報告として、村について学ぶ場である「せせらぎ大学」で編集委員による講演を企画。自身も同大学の運営委員の一人であり「どんな資料が集まり、どのように編集していくか、村の方に知ってもらえたら」と話す。
○…先祖代々清川村で続く旧家の生まれで、江戸時代には農業や林業を営んでいた。「実は、若い頃は清川村が嫌いでした」と苦笑する。外の世界を見てみたい。厚木高校卒業後は山梨大学に進学し甲府に住んだ。父親から「戻って来ないか」と声をかけられ「父が元気なうちに家を継ごう」と40歳を前に清川村へ。「今は盛んに里山が注目されているが、山と川、豊かな自然は清川の魅力」と語る柔和な瞳に郷土愛が宿る。
○…現役時代は超音波を活用した専門器具の製造や設計を行う技術屋だった。「当時は画期的だった」という発明で特許も取得した。定年後は、村史編さん委員会のほかに清川のゴミを考える会、桂川・相模川流域協議会など多彩な会議や委員をエネルギッシュに務める「いろいろな事に興味があるんです」と話す満面の笑みから日々の充実が伝わる。息抜きは夫人との畑仕事。二人の息子に恵まれ「あとは息子たちが早く結婚してくれたら…」と、父親の横顔ものぞかせる。