1年の折り返しとなる6月30日、愛川町の中津神社で半年間の罪や穢れを祓う神事「夏越の大祓」が行われた。同神社では町内で唯一、茅の輪くぐりが行われており、今年も地域の住民を中心に神事が行われた。
夏越の大祓は、一年の半分を過ぎた日に、これまでの半年の厄や災いを祓い無事を感謝するとともに、残る半年の無病息災、健康を祈念して神社におまいりするならわし。水無月大祓(みなづきおおはらへ)ともいわれ、日常の生活で知らず知らずのうちに身に付いた罪・穢れ・災いを「人形(ひとがた)」に託し、茅の輪をくぐる。
神道では、青々とした植物の緑色は「生命の甦りの象徴」で、鮮やかな緑の茅の輪を定められた方法で3度くぐることで、徐々に身も心も清らかになっていくと考えられている。
今年も同神社の境内には氏子総代や地域の住民など約60人が集まり、甲賀裕樹宮司によって神事が執り行われた。
参加者全員で大祓詞を奏上した後、罪や穢れを人形に移した。古くはこの人形を川に流して罪穢れを祓ったというが、同神社では人形を境内でお焚き上げした。最後に全員で高さ2m40cmの茅の輪を八の字を描くように3度くぐり、身を清めた。
甲賀宮司によると、町内で夏の茅の輪くぐりが行われているのは同神社のみで、今年で4年目。それまで行われていなかった理由は定かではないが、2012年に同神社が神社本庁の神社振興強化対策モデル神社に選ばれたことをきっかけに、甲賀宮司と氏子総代が協力して始めた。
茅の輪は16人の氏子総代による手作り。中津川の河原などで茅を刈取り、丸一日がかりで仕上げるという。氏子総代長の伊従春男さんは「4回目だから皆さんずいぶん慣れてきて、作るのも早くなった」と笑う。
茅の輪くぐりを始めるきっかけとなったモデル神社の期間は今年3月で終了したが、茅の輪くぐりは来年以降も継続していくという。甲賀宮司は「これをきっかけに、新たな伝統として続けられたら」と話す。
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