愛甲商工会女性部(阿部文子部長)が9月13日、愛川町の三増児童館で段ボールを使った簡易トイレづくりの講習を行った。同部では防災に関する取り組みを実施しており、今回の講習は4年ほど前から行っている。今後も活動内容を広げていく予定だ。
この日の講習では、同部のメンバー11人と、地域の老人クラブ「三増鶴寿会」の13人が参加した。
座るのに適当な大きさの段ボールを基礎に、内部に空間を作りながら補強を施し、段ボールとガムテープで簡易型のトイレを作った。参加者からは「段ボールとは思えないほどしっかりしている」「ちょっと周りを囲えば屋外でも使える」「災害時には一番必要なものだね」「持ち運びができるので、ドライブなど災害時以外にも使えそう」などの感想があがり、作り方やコツなどを学んでいた。同会の池田茂会長は「災害への備えは大切。今日の経験で意識の高揚につながったのでは」と話した。
同部が簡易トイレの取り組みをはじめたのは、東日本大震災がきっかけだった。
身近な防災を推進するために何かできないかを模索。災害が起きた時に一番復旧が遅いのは水道と知り、水道がなくても使用できる簡易的なトイレの普及を、同部の30周年記念事業としてスタートした。
材料については、段ボール製造販売企業のコンポー株式会社が無償で提供。この支援を受けて、現在も年に3回から4回ほど、同部が町内の団体へ出向き講習会を実施している。さらに、他自治体の商工会女性部への指導も行うなど、活動の場を広げている。
講習だけでなく、完成品の簡易トイレを町や介護施設などに寄贈する取り組みも継続。同部の阿部部長は「女性の目線で、防災のためにできることをもっと取り入れていきたい」と話す。今後は、身近なもので作れる防災頭巾の講習や、炊き出し訓練なども視野に入れており、防災全般の訓練・啓発を視野に入れる。