愛川町角田の菓匠土門。明治神宮や平安神宮への献上銘菓で知られ、愛川ブランドに認定される「どら焼」「御炭山もなか」「三増獅子舞」なども人気の菓子舗だ。土門が開店したのは、1967年2月4日。今年で50年の節目を迎えた。
創業者の土門千次さんは三増生まれ。小さい頃から手先の仕事が好きで、家でうどんや煎餅、酒まんじゅうを作っていたという。
16歳の頃に近所の人から勧められ、鎌倉の菓子舗に修業へ。店に着いたその日から、洗い物など仕事に追われた。朝は4時起きで他の職人のための支度や餡づくり。夜は布団の上げ下げまで、修業の日々は続いた。
その後は東京日本橋の菓子舗でも修業を積み、全国を修業してまわった。東京、横浜から東北、関西…。あらゆる場所で様々な技を学び、「そろそろ小さくてもいいから店を」と、愛川に土門を開いた。開店当初の商品は「ふくふくまんじゅう」。朝から晩までお客さんが途切れなかったという。
お菓子作りで常に心がけるのは、「お客様に喜んでもらえるものを作りたい」ということ。「お金儲けでは、技は伸びない」とうなずく。「喜んでもらいたい」という心と「他人には負けたくない」という職人気質があったからこそ、「土門」が愛川を代表する菓匠となったのだろう。
今年に入り、長男に社長を譲り、会長に就任した。「若い人の考えで、新しい商品もできていく。時代が変われば、お客さんが求めるものも変わっていく」。喜ばれる味をこれからも…。土門の「心」はこれからも変わらない。
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