横須賀でツイッターなう どう使える？使ってる？ 店舗では客との関係づくりに活用
スマートフォンの登場がツイッター人気を後押し
08年から国内で新たな情報発信手段として登場したミニブログ「ツイッター」。近年、この利用者数が急増しているという。インターネット環境が使えれば誰もが手軽に情報発信と情報収集ができるという利点があるが、「関心はあるけど使いこなすのが難しい」という声も少なくない。そこで、市内でツイッターが「ビジネス用広報ツール」として効果的に使用されている例や試みを取材した。
「店の雰囲気や店員のキャラクターに親しみを感じてもらい、来店時の会話のきっかけになれば」と使うのは追浜にある飲食店「うれしたのし屋」オーナーの下澤敏也さん。同店では店主を含む従業員は全員各自でアカウント（ツイッターサイトのID）を持ち、店用のリストに登録。リストを見れば店員たちの人柄や日常が垣間見えるしくみだ。ほか閑散時や宴会でキャンセルが出た際に「ツイッター読者限定 刺身盛りが半額」など随時、割引サービスのお知らせを配信。また、日々地元の港や畑を回って仕入れる食材情報を各現場で写真と共に発信することでフォロワー（読者）から信頼を得ている。
対象絞り、商機拓く
「メールでは接点がもてない意中の人と直にやりとりができるのがよい」と言うのは深田台の住宅地にある日本酒専門店「Sake芯」オーナーの松尾伸二さん。同店はインターネットと自宅の一角に設けられた試飲室での販売のみという業態。このため営業・PR活動としてツイッター内で日本酒好きな人を探して積極的に自己紹介やコメントをし、注目してもらうことで新たな販路を拓こうとしている。
今年8月に始めてからまだ売り上げには結びついてはいないが、試飲客の反応や味の比較などコアな日本酒好きに響く話題を提供することで、徐々に店のファンを増やしつつある。
現場の臨場感に支持
一方、新聞などのマスコミで独自の取り組みが紹介されたことが奏功し、自分からはほとんどフォローをせずに（12／22時点で）924人から注目されている漁師がいる。東京湾洋上からツイッターを活用して「朝獲れ鮮魚」の直売直送を行っている東部漁協夕市会代表の栗山義幸さんだ。
毎日現場からその日の海況、漁の状況、朝出品する魚について発信。魚や調理法についての問い合わせがあればできる限り個別に返信している。1日の出品数は通常3〜5箱、最大10箱と少ないが、出品すれば必ず完売だという。
公共機関も活用の試み
横須賀市立市民病院では地域連携室が昨年7月からアカウントを開設。当直の担当科目や、休診情報、公開講座のお知らせなど当日情報を毎日配信している。「HPは更新されているかわからないとなかなか見に行かない。メールマガジンはいつも来ていると見なくなる。その点でツイッターは端的にタイムリーな情報発信が出来るため適していると思い、始めてみた」と同室長の渡邊憲医師。現在は管理上の理由から発信のみで試用。決裁の問題等で必要な情報をリアルタイムで流しづらくなるため公式化はしない考えだが、今後もできる範囲内で運用を続けていきたいという。
県内の自治体では厚木市が先行して昨年3月にツイッターを導入。半年後には神奈川県広報課も試行導入を始め、広報の新着情報等を配信している。この流れに、横須賀市も検討を始めているが「現在は他自治体の実施状況について情報収集をしている段階」と導入には慎重姿勢だ。
「販促の一手段」として
時代の流れを受けて横須賀商工会議所は今年度から、集客力・販売力を上げるためのWEB活用セミナーを開講している。同担当者は「中小企業でも資本力に頼らず使えるという利点はある。しかしツイッターも含め、WEBを販促手段の一つとして継続的かつ効果的に活用するにはトレーニングが必要」と課題を語る。
市内のツイッター事情に詳しい横須賀経済新聞編集長の亀崎昌義さんは「ツイッターは関係づくりのメディア。接客と同じ様に親しみを込めてクイックでこまめな対応で共感を生むことを考えて」と活用法を語る。
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