今月23日に初の自主公演を行うチャンバラパフォーマンス集団「剣激隊」の創立者 中野 知佐子さん 小原台在住
凛々しく優しい女剣士
○…着物と袴に身を包んだ姿は凛々しく威厳を感じさせる。動きは素早く、そして静か。腰の帯に差した刀に右手をかけ、さっと抜刀。女剣士ならではのかん高い声が響きわたると、勝負は一瞬。男侍の倒れた姿がそこにある―。「剣激隊」を設立したのは04年。これまで公演やチャンバラ教室開校などで隊を引っ張ってきたが、今公演で引退する。出演はもちろん脚本から演出まで手掛ける。全てを出し切ったその先には、きっと観客・演者双方の満足した表情が待っている。
○…芝居と出会ったのは6歳の頃。公民館で行われた『西遊記』が最初だった。「客席に飛び出した孫悟空の姿を今でも覚えています」と懐かしむ。中学・高校では演劇部に所属。その後は働きながら養成所にも通っていたが、結婚後は一度演劇から離れたという。転機が訪れたのは約20年前。生活クラブ生協の音楽劇に参加したのをきっかけに劇団を旗揚げ。横浜を中心に14年間、脚本、演出、出演をこなしていった。
○…その劇団の10周年記念公演で挑戦したのがチャンバラだった。「魅力ですか? 女性が大の男を斬る爽快感ですかね」。構えから礼節、立ち回りまで全ての動作に意味があり奥が深い。日本の伝統武道にのめりこんだ。「剣激隊」結成から7年目。竹に銀色のアルミでコーティングした愛刀は、今では所々にアルミが剥げ、刃こぼれのように見える。
○…引退を決意したのは、一度リセットするため。出演や演技指導、イベントの司会など、頼まれると断れずひっぱりだこだった。その上完璧主義。無理がたたり身体を壊したこともあった。「家族は半ば呆れていましたよ」と優しく笑うが、引退公演では陰でずっと支えてきた旦那さんが撮影係だそう。「いちパフォーマーとしては今後も活動します。あとコレステロール値が高いのでダイエットしたいですね」。話し上手、サービス精神旺盛は、舞台を降りても変わらないようだ。
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