小学生女子バレーボールチーム「ファイターズ」を7年間越しで「春季新人大会」初優勝へ導いた監督 小崎 幸子さん 上町在住
リラックスを本番強さに
○…「相手チームは関係ない、自分のバレーをしよう」―試合前、この言葉を初めて選手達と皆で円陣を組んで声に出させたことで、選手の緊張が一気に解けた。チーム発足当時から「コートに入ると鬼」といわれるほど厳しく指導を重ねてきた監督。近年は何度も市大会の優勝候補に入りながら今一歩のところで涙をのんでいた。教え子が「どうしたら本来の力を出せるようになるか」とことん向き合った答えが、本番前にリラックスさせることだった。
○…チームの教え子らに聞けば「監督は私達のことをよく見過ぎ―」と笑う。だけど「見ていないよりはいいよね」と仲間内で顔を見合わせ、頼もしく思っている様も垣間見せた。「練習も最初は厳しく感じたけど、慣れたら平気だよ」と元気に続ける。練習試合後はいつも、各自にノートに図入りで弱点を書いて分析、反省させてきた。そして一人ひとりにコメントを返すという細やかなフォローで作られた信頼関係が、着実に選手達の力を伸ばしてきたのだろう。
○…出身は宮城県の古川。東日本大震災で実家は少ない損壊で済んだが、バレーを一緒にやっていた仲間達と連絡が未だに取れていないと言葉を詰まらせた。大震災以降はいたたまれず、「子どもたちには悪いが、試合までどうしても指導に身が入らなかった」と明かした。しかし、教え子たちの「監督を絶対県大会に連れてってあげますね!」との力強い言葉と笑顔が再び元気をくれたと振り返る。
○…高卒後、川崎の実業団にスカウトされ、7年間の選手生活を経験。その後、結婚で来須賀し、2男1女を育て上げた母でもある。三浦半島内に小学生バレーチームが3つしかなかったことを受けて、7年前「ファイターズ」を発足させた。現在は郵便局で働きながら小学生相手にバレーを教える。コート外では優しい母の顔。「勝つことを知った彼女達はこれからまた強くなる。楽しみ」と微笑んだ。
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