中間評価「59.3点」は及第点 市長マニフェスト 外部委員会が採点
吉田雄人横須賀市長が2年前の選挙時に掲げたマニフェスト(政策公約集)の進捗状況をチェックする中間検証大会が先月25日、横須賀青年会議所(横須賀JC)の主催で行われた。会場は500人収容できるヨコスカ・ベイサイド・ポケット。参加者は100人程度と空席が目立った。
地域開発研究所主任研究員の牧瀬稔氏ほか5名の識者による評価委員会が、就任2年の実績を100点満点で59・3点と総合評価した。マニフェストに盛り込まれた「自然・環境」「医療・福祉」「市長の姿勢」など10行政分野(207事業)が対象。市が提出した事業別の資料を基に各事業5点満点で採点された。結果は1035点満点中614点だった。牧瀬氏は「4年間の任期ですべてを実施して100点満点。(2年間という)中間段階では50点以上が及第点だと考える。現時点ではおおむね順調」と結論づけた。
分野別では、「自然・環境」62・3点、「医療・福祉」56・7点、「教育」62・0点、「経済活性化」59・4点、「自治・市民活動の活性化」55・2点、「市民サービス活性化」50・9点、「市長の姿勢」77・6点、「財政再建」55・4点、「市役所改革」50・8点、「議会対応」83・9点。同氏は「マニフェストは市長の任期中に実現をめざすもの。後半でさらに着実かつ積極的な取組みを期待する」と付け加えた。
中間検証大会で吉田市長は、2年間の自己評価として「実現した事業は60・5%」と報告した。就任時からマニフェストに従った市政運営を公言。数 字に対する評価については、「80%の達成で合格とする人もいれば、ある一つの政策が実現できないだけで駄目とする人もいる。有権者もマニフェストに向き 合う姿勢を」と述べ、判断は市民に委ねた。
その一方で、議会に否決された案件などを含め、マニフェストを見直ししたことも発表、修正版を新たに公表する考えを示した。
シンボル施策では、水と緑の基本条例制定で「水」の部分を削除、救急医療センターの運営改善は「新築」に、財政基本計画の冊子全戸配布は「市民と共有」に、それぞれ書き換えられた。
変更について吉田市長は、「議会の意見を尊重し、実現不可能なものは削った。内容の一部には事実誤認もあった」と説明。公約違反ではないかとの意見には、 「現実に沿った内容を示すことが市長として誠実な態度」と理解を求めた。修正版マニフェストは、市長個人のホームページで公開するという。
大会を主催した横須賀JCの及川浩一理事長は、「選択の基準はマニフェストという、これからの選挙のあり方を提言しているJCにとって、為政者のチェック は不可欠」と話す。その一方で、市民の関心の低さには落胆の表情を浮かべる。「先の市議選も低投票率(47・98%)だった。まちづくりは一人ひとりが主 役。これを粘り強く訴えていく必要がある」と課題を述べた。
評価委員会が採点した個別の検証結果は、横須賀JCのホームページ(「横須賀青年会議所」検索)で確認できる。
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