市民登山を主催する横須賀山岳協会の会長を務める 小畑 克さん 馬堀海岸在住 60歳
山に魅せられて
○…大自然との一体感。頂上では、眼前に大パノラマが広がる。その感動は、登った者にしか分からない―。登山を愛好する市内7団体で組織される横須賀山岳協会主催の「市民登山」の季節が今年もやってきた。今回は、南八ヶ岳・赤岳から阿弥陀岳までのコースだ。会長として組織を取りまとめながら、市民登山では、ベテラン登山経験者がビギナーをサポートできる体制を整備している。
○…登山を始めたのは中学時代。山岳部に入部したのがきっかけだった。高校、大学と登り続け、現在は横須賀市役所山岳部に所属。40年以上もの間、山に魅せられてきた。一体何がそこに駆り立てているのか。素朴な疑問をぶつけてみると、一呼吸おいて3つの答えが返ってきた。「ひとつは登りきった時の達成感。次に自然との一体感。そして仲間との交流、連帯感です。良い先達がいれば最高ですね」。話し方は穏やかだが、選んだ言葉の節々から、山への熱い思いが感じられる。
○…横須賀にも魅力的な山があるという。特に三浦半島最高峰の大楠山は景色もよく、まだ知られていないルートやスポットもある。また、鷹取山はハイキングコースとしてだけでなく、ロッククライミングの練習場所としても知られている。ここまでは話の流れで予想できた。だが、自身もロッククライマーの顔をもつという事実には驚かされた。「最初は怖かったですが、克服できたときの達成感はすばらしいです」。成し遂げた者にしか発することのできない言葉だ。
○…長いキャリアの中でも、挫折はある。15年ほど前、険しいルートとして名高い北鎌尾根に挑戦したものの、悪天候で引き返した苦い経験を教えてくれた。目標は高く、道は険しい。だからこそ、再挑戦する価値はある。達成した日を夢見ながら、今日も山に目を向ける。
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