放射能測定所求め請願 市議会定例会で審査へ
食品に含まれる放射性物質の測定を市民レベルで行う動きが全国各地で広がっている。横須賀市でも「放射能簡易測定所」の設置を求める請願書が先月末、市議会に提出された。市民が持ち込みで測定できる形を要望し、賛同する署名も添えられた。請願は、第1回定例会(2〜3月)の常任委員会で審査される見通し。
市民団体連携で署名活動
請願の準備は、「脱原発横須賀市民の会」(今井美智子代表)などの市民団体が中心となって進め、請願書は今井さん個人の名前で提出した。今年1月はじめから署名活動を開始し、2月6日時点で854筆(追加分含む)が集まったという。
請願書では、「低線量であっても、安心安全を得るためにはきちんとした数値を知ることが大切」とし、市民が持ち込みで食品などに含まれる放射線量を測れる「横須賀市民放射能簡易測定所(仮称)」の設置を求めている。
場所は、横須賀市役所や行政センターなどの公共施設を想定。6畳ほどのスペースと水道設備が必要になるため、あらかじめキッチンがある施設であれば、改装などの負担も少ないと見込んでいる。担当職員や専門家の配置についても検討課題となる。
今井さんによると、千葉県柏市にある会員制の放射能測定器レンタルスペース「ベクミル」((株)ベクレルセンター運営)を参考に、測定器は1キロあたり10ベクレルまで検出できるものを目安としている。ベクミルにあるものと同じ機器(ガンマ線スペクトロメーター)の価格は、1台約280万円。ここでは、市民が食材や水、土などを持ち込み、スタッフの説明を受けながら放射線量を測ることができる(有料)。
神奈川県内ではほかに、相模原市の青果店が昨年9月に自前で食品用放射線測定器を購入。地域住民からの測定依頼も受け付けている。また横浜市では、市民の有志が出資、募金活動をして機器を購入。「横浜市民測定所」の設置に向けて準備している。こうした測定所を市民レベルで導入する動きが広がっている。
今井さんは、市民団体が独自に測定所を設置するには、資金調達などに時間がかかると考え、「自分たちができる最短の方法として請願を選びました」とコメント。市民の健康は行政によって守られるべきものだと主張し、今回の請願に踏み切った。
横須賀市は学校給食の放射線量測定に関して、食材をサンプル調査するだけではなく、調理後の給食も回収して調べていることが全国的にも注目された。請願書では「子どもたちが口にするのは給食だけではない」と指摘。早期に食品の検査をすることが必要だとしている。
請願はこれから始まる横須賀市議会第1回定例会で審査される見込みだ。
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