「自然豊かな環境で子育てしたい」「親子で気軽に出かけられる場所がほしい」―。子どもを持つ親なら、そう思うことだろう。さて、連載最終回では住環境を交えた横須賀の「子育てのしやすさ」を考える。
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樹林や草地・農地など「緑」で覆われている面積の割合を緑被率と言い、横須賀市の統計は53・8%(市街地区部分は36・5%)。横浜や藤沢などが、市全体で20%台という中でみると高い割合だ。また、1人当たりの公園面積は県全体で4・91平方メートルだが、横須賀市は10・78平方メートル。県立公園(観音崎・塚山)を含む広さとはいえ、この2つの統計を見ても、自然環境は他市に誇れる部分だと言える。
しかし、市街地の公園は禁止事項が多く、のびのび遊べる場とは言いがたい。そこで、市内では市民団体が主体になり、子どもたちが工夫して遊びを作り出すことのできる野外の遊び場『プレーパーク』が生まれている。地形や樹木を利用し、大人(プレーリーダーら)がサポートしながら穴掘りや泥・水遊び、焚き火などを楽しむことができるもの。『よこすかプレーパーク』として久里浜や長坂・衣笠山の公園・農園などで実施。今年も年10回程度の開催を計画しているという。「自分の責任で、体を使って自由に遊ぶ、わくわくする気持ちを大事にしたい」と主催する「よこすか思いっきり遊ぶ会」の兼尾さん。市内の自然を生かし、各地区にこうしたプレーパークを常設することができれば、と話す。
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必要なのは「遊びの場」だけではない。子育ての中で、日々子どもと向き合い「孤独」を感じることも少なくないと言われる。外に出ること、人と関わることが親子にとって大きな息抜きとなるはずだ。市内では、フリースペースとして6地区に「愛らんど」を設置。ママ友づくり、子育て相談の場として活用されている。また、各地区の社会福祉協議会には、読み聞かせ・工作・情報交換などを行う「子育てサロン」が20ヵ所近くあるほか、自主的な「子育てサークル」も増えているという。こうした「社会や地域との接点」を、周囲にたくさん設けておくことで、親子を見守る”目”も増え、子育て環境も明るくなるのではないか。
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先日、昨年度の児童相談所相談受付件数が発表されました。”前年比増”という結果は何を示しているのでしょうか。さて、市が掲げる「子育てしやすい街」とは、どのような街なのか。自然豊かな環境・経済的な支援・行政のサポート…いま子育てをしている人、これからしたい人にとっては、どれも「譲れない」ものかもしれません。今回取材した中で「財政が厳しく、現状のまま」という施策もいくつかありました。その一方「子育て支援は将来への投資」…そんな声も聞かれます。人を育てることは、街を育てること。10年・20年後の横須賀を支える人材となる子どもたちに今、できることは―。
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