空き家リフォーム 助成申請、予定枠を下回る 150件の募集に19件
空き家の利活用と地域経済の活性化を狙い、横須賀市が今年度新たに始めた「空き家リフォーム助成事業」が、当初の予定通りに進んでいない。150件の募集に対して、申請受付の期限としていた今月22日までで19件と、予定より大幅に下回った。担当課では、「(市民への)周知が不十分だった」とし、7月以降は先着順で受付を行うとしている。
市「周知不足だった」
この事業は、総額30万円以上の空き家リフォーム工事にかかる費用のうち、15万円を市が助成するというもの。住宅の増築、床・壁などの改修のほか、解体工事も助成対象としている。谷戸地域を中心に市内に約2万戸あると推計される空き家の利活用をうながし、市内事業者が施工することを条件としたことで、地域経済の活性化も狙った。
市は今月1日から申請受付を開始し、同22日までを期限としていた。市都市計画課によると申請は19件どまり。現状の分析では、必ずしも谷戸が多いわけではなく、また地域による偏りも無かったという。所有者が優良物件と判断した空き家をリフォームすることで今後活用するとみられる。
募集していた150件を大幅に下回る結果となったことに対して同課では、「一般的には2〜3年以上人が住んでいない住宅が空き家だと思われがちだが、今回の助成対象は、2ヵ月以上(居住実績が無い建物)としている。そこが周知できなかった」と話す。7月以降、こうした助成対象について重点的にアピールしながら、先着順に受付を行い、しばらく経過を見守る構え。また、これまでに申請があったリフォームの目的や効果なども検証していくという。
市議会は附帯決議「リフォーム全般を」
住宅リフォームの助成をめぐっては、市内の建設事業者の団体が昨年秋、同制度の創設を求める請願を市議会に提出。第3回定例会の都市整備常任委員会では「地域経済の活性化につながる」などの意見があがり、賛成多数で採択された。
これを受け、市は今年度の新規事業として空き家リフォーム助成事業を予算計上(約2200万円)。「地域経済に配慮するとともに、空き家の削減と利活用という住宅政策を織りまぜて、厳しい財政状況の中で工夫した」(第1回定例会・同委員会)と説明した。
しかし、市議会では空き家のみを対象とすることは「条件が限定され利用範囲が狭く、経済効果も限定的」とした上で、住宅リフォーム全般を助成対象とすること求める附帯決議を全会一致で採択していた。
学生の居住支援も
空き家の多い谷戸地域の住環境対策として市は今年度、汐入町5丁目2区をモデル地区に、新たに複数の助成制度を展開している。
若い世代の呼び込みとしては、県立保健福祉大学の学生が同地区の空き家に居住する際、そのリフォーム代の一部を助成(限度額100万円)。周辺に暮らす高齢者のゴミ出しなどの生活サポートを条件とし、家賃補助も行う。すでに入居が内定しているといい、進捗している事業もある。
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