ジャズギタリストで作曲家・編曲家としても活動する 杉本 篤彦さん 津久井在住 49歳
この街で音楽も子育ても
○…公募で募った横須賀の自然風景の写真に、即興のギターメロディーを乗せるユニークなライブを行う。「歴史と文化、海と山。この街は不思議な磁力を発していると思う」。ほどよく都会でほどよく田舎の絶妙なバランス。その魅力に惹かれ、定住を決めたひとり。「みんなが思い描く横須賀の姿とはどんなものか。それを自分の音楽でどう表現できるか。ステージに立つのが今から楽しみ」
○…築地出身、新宿育ち。
23歳でミュージシャンを志す前は、実業団のアメリカンフットボール選手として活動した。足のケガに見舞われ、その道が閉ざされた矢先に浮かんだのが音楽だった。だが、専門的、体系的に楽器や楽譜を学んだことなどない。「発想が体育会系。2年間でギターをモノにする。そう決めてからは1日12時間の練習をひたすら続けた」。作曲したデモテープも音楽会社に手当たり次第送った。9割9分はなしのつぶてだったが、ふいに大きなチャンスが舞い込んだ。一大イベント「横浜博」の音楽担当に抜擢。
その後はCM音楽の作曲・編曲などで地歩を固めた。 ○…スポーツ選手からミュージシャンに転身できたのはなぜか。「幼少期にFEN放送と稼業だった料亭から漏れ聞こえる三味線や琴の音色を聞き続けていたこと。”音楽耳”がすでに出来上がっていた」。ギターを手にした時、コード進行が読めたという。
○…好きなことを仕事にした体現者だが、「はたから見るほど楽ではないよ」と苦笑いする。「実力があっても世に出られない。その逆のケースもある」。音楽や芸能の世界は理不尽そのものなのだ。その一方でミュージシャンならではの特権も話してくれた。それは時間の自由さ。「5歳の男の子とゆったり海辺を散歩したり公園に出かけたり。今は家族が1番、音楽はその次かもしれないな」
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