久里浜ペリー祭 祝いの舞台、準備に奔走 資金難で市民募金呼びかけ
ペリーが久里浜に来航して160年となる今年。市内では周年記念と銘打ったイベントが企画されており、そのひとつ7月13日(土)に行われる「久里浜ペリー祭」では、パレードを目玉に据えているが、地元商店街では事業を実施するための協賛金集めに苦戦。現在、市民募金を広く募っている。
「久里浜ペリー祭」はペリー提督が1853年7月14日に久里浜へ上陸したことにちなんで毎年7月に行われている恒例イベントで、夏の風物詩となっている。
久里浜観光協会によれば160周年記念の目玉は盛大なパレードで、従来の鼓笛隊や奉行、甲冑隊の練り歩きに加え、今回初めて黒船が登場して花を添える。パレード内容の全貌は明かされていないが、リヤカーやトラック1台を丸ごとペリーの黒船に見立てたフロートを準備。装飾は地元横須賀総合高校の生徒と久里浜小・神明小・明浜小の児童が担当するという。
5百万円目標寄付募る
パレード以外にもよこすか開国バザール、上陸記念碑への献花式、来賓を招いた記念式典、約3500発の花火大会が行われるペリー祭の開催には1千万円を超える多額の費用が必要となる。しかし、景気低迷と東日本大震災などのあおりを受けて大口スポンサーだった久里浜地区の大手企業数社が地域行事から相次いで撤退。地元の中小企業からの協賛金も縮小傾向で年々減少し、財源はジリ貧状態。多い年は5百万円以上集まっていた協賛金の寄付もここ数年は4百万円前後と思うように集まらない状況が続いている。
そこで同イベントを主催する久里浜観光協会と久里浜商店会協同組合では、2010年から買い物客らに善意の気持ちを募る「市民募金」を開始。市からの補助金と協賛金頼みだった体制を市民自らの手で支えていく運営方針に切替えた。今年の目標金額は5百万円。商店街約230店舗と久里浜行政センターに募金箱を設置し呼びかけている。同組合の森下守久理事長は「ペリー上陸は重要な横須賀市史のひとつで、日本近代史にとしてもターニングポイントとなる事柄。ペリー祭も久里浜にとどまらず、全市的なイベントとして市民の皆さんに育ててもらえたら」と話している。
記念イベント続々企画
160周年記念と銘打ったイベントはほかにも企画・検討されている。久里浜コミュニティセンターでは黒船来航の歴史を掘り下げて学ぶ講座や写真展、散歩をしながら久里浜の近代史に触れるイベントなど順次実施予定。市民グループによる記念講演会の開催やペリー来航に関する歴史的資料や模型などを展示するペリー記念館でも「記念企画を検討中」としており夏に向け準備が進んでいる。
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