芦名での受け入れ断念 漁網処理問題で黒岩知事
震災被災地の漁網の処理をめぐり神奈川県の黒岩祐治知事は今月10日の県議会で、芦名にある産業廃棄物最終処分場「かながわ環境整備センター」での受け入れは行わない考えを明らかにした。国から要請された処理量の300トンを、箱根町と南足柄市が引き受ける見通しとなったため。これにより、おととし12月の黒岩知事の表明をきっかけにした災害廃棄物の受け入れ問題はようやく収束に向かう。
表明から1年半で決着へ
県が環境省から処理を要請されているのは、岩手県洋野町で発生した漁網約300トン。今年4月に箱根町が最大100トン、5月に南足柄市が同200トンの受け入れを表明し、いずれも関連の補正予算案を6月議会に提出する方向で調整している。
知事はこの日の県議会で「神奈川県として要請された300トンを受け入れる見通しが立ったと判断した」とし、芦名にある同整備センターでの受け入れは行わない考えを表明した。その上で、県からの要請に対応した横須賀市や地元住民らに対しては感謝の言葉を口にした。
この問題は、知事がおととし12月、震災がれきを同整備センターで受け入れる方針を示したのがきっかけ。地元への事前説明が無かったことや、県外の災害廃棄物は処分場建設時に県が地元町内会と交わした協定書に盛り込まれていないことなどから、住民は受け入れに反対の立場を鮮明にしていた。
そのため知事は当初案を撤回。昨年夏に、放射性物質に汚染されている心配が無いとして、漁網の受け入れ案を新たに提示した。これに対して大楠連合町内会は12月に住民の意向調査を行い、世帯ごとの意見を集約。その結果、受け入れ反対の意見が賛成を上回り、これを町内会としての「結論」としていた。
知事の表明から1年半が経ち、ようやく決着する見通しとなった受け入れ問題。大楠地区で独自に復興支援活動に取り組むグループのメンバーは、「被災地への支援には色々な形があると思う。これからも大楠からできることを考え、実行していきたい」とコメントした。
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