孤立死防止へ見守り協定 横須賀市と地元2信金
高齢者らの孤立死を未然に防ぐことを狙い、横須賀市は24日、湘南信用金庫(石渡卓理事長)、三浦藤沢信用金庫(平松廣司理事長)と「地域の見守り協定」を結んだ。両信金の職員が業務中、個人宅の玄関に新聞や郵便物が溜まっているなどの異変を察知した際に市に通報。現地確認をした市の職員が、必要に応じて警察や消防に協力を要請する仕組みだ。市がこうした見守り協定を結ぶのは初めて。
孤立死とは誰にも看取られずに死亡し、何日か経過した後に遺体で発見されること。生前から親族や地域住民とのつながりが希薄な一人暮らしの高齢者に比較的多く、全国的にも問題となっている。
市では、市内での孤立死の件数は把握していないとしながらも、一人暮らしの高齢者が約9400人に上る中で、従来の町内会や民生委員などによる見守り体制だけではない、新たなネットワークづくりを模索していた。
今回の協定は、湘南信金から市に提案があったことがきっかけ。これに三浦信金も加わり、連携して高齢者をはじめとする地域住民を見守っていく体制を整えた。両信金各支店の営業担当者らが、集金や融資セールスといった日常の業務で得意先を訪問した際、異変に気がつけば市に連絡する。郵便物や新聞のたまり具合、長時間にわたる電気(明かり)の使用状況などが判断材料になる。このほか緊急を要する場合には、直接警察や消防に通報するなど状況に応じて対応していく。
日常業務で異変を察知
この日、市役所で行われた協定締結式には吉田雄人市長、石渡理事長、平松理事長や両信金の幹部職員らが出席。吉田市長は「きめ細かい見守り体制が構築できるのではないかと心強く感じている。住み慣れた地域でいつまでも暮らし続けることを考えた際にも、見守り活動は大事になる」と感謝の言葉を述べた。石渡理事長は「金融を通じてだけでなく、地域の一員として安全安心と福祉のお役に立てれば」と抱負を述べ、平松理事長は「(顧客と)話をしながら、具合の変化などを把握しやすい状況にある」と日頃からの取り組みを話した。
両信金とも、すでに横須賀市以外の近隣自治体とも同様の協定を結んでいる。
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