看護師不足 復職促進で人材確保へ 市民協働の就職説明会実施
少子高齢化が進み、全国的に看護師不足が叫ばれ、市内でも深刻な問題となっている。横須賀市は一度退職した看護師の職場復帰と現役看護師の離職防止を目的とした市民協働事業を開始。来月5日には就職説明会を実施するなど、充足をめざす。
横須賀市の正看護師従事者数は平成22年度で2801人、平成24年度は2867人と66人増加している。しかし、依然として看護師は慢性的に不足しており、市地域医療推進課の推計では約200人足りていないという。市は今年度より看護師確保対策事業に本格的に乗り出し、状況改善を図る。
市立看護専門学校での人材育成と並行して取組んでいるのが結婚や育児、介護などで退職した元看護師(潜在看護師)の復職支援だ。テコ入れの具体策として10月5日(土)に「看護職のための合同就職説明会」を開催する。会場では「近年の医療動向と看護職の職場環境」と題した講演、復職した看護師による体験談スピーチ、相談窓口が設けられる。同企画は市と看護師の人材確保やキャリア支援に取組む市民団体「NPO法人看護職キャリアサポート」との協働モデル事業。実行委員には現場を知る市内2病院の看護部長も交え、キャリア支援や婚活支援、看護職状況の把握調査を3年計画で行う。
潜在看護師は現在、全国に50万人以上いるとみられている。復職を考える人の多くは、日々進歩する医療技術や知識の習得、家庭との両立に不安を抱えているため、各病院でも復職支援セミナーの実施や24時間型託児所の完備、勤務形態の選択など労働環境整備にも力を入れている。
一方、日本看護協会の調査によると県内の平成23年度離職率は13・6%。13・0%だった前年から微増しているだけでなく、全国平均10・9%も上回り、大阪と東京に次ぐワースト3位だ。これらの数値も踏まえ、横須賀市は現役看護師の職場定着を図る離職防止対策を昨年スタートさせた。吉田雄人横須賀市長が医療体制充実のために設立した「いのちの基金」の積立金を充当し、離職対策研修を実施。2年目の看護師を対象としたパワーアップ研修、4〜6年目の中堅看護師が対象のキャリアデザイン研修を行っている。市担当者は「不安やキャリアアップの悩みを解消させ、長く働いてもらえる仕組みを考えていきたい」と話す。
合同説明会は市立総合福祉会館5階で午後1時半〜4時半。入場自由。市内の10病院と特養など7施設が出展する。問合せは市地域医療推進課【電話】046・822・4332
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