元劇団四季の舞台俳優で27日に児童図書館で催される朗読劇を行う 武藤 寛さん 横須賀市出身 42歳
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○…スラリとした身のこなしに、部屋中に響く深みのある声。3歳から岩戸に移り住み、劇団四季に入団してからも横須賀から通った。昨年10月にファンに惜しまれつつ退団。舞台を通して得た感動や自己表現の大切さを子どもたちに伝えたい、と活動の幅を広げている。今週末、市児童図書館で朗読劇を行うのもその一環だ。「舞台出身の自分にしか出せない臨場感を感じてもらいたい」
○…19歳のとき念願の音楽大学に入学するが、待ち構えていたのはプロを目指す天才たち。「悔しいけど、これで食べていくのは無理だと思った」。そんなとき、
たまたま誘われて行った劇団四季の舞台を見て体に激震が走った。歌あり、ダンスあり、ドラマありの内容に一気に引き込まれ「これをやりたい」とハッキリと思った。周囲の驚きをよそに、翌日には横須賀中央のダンスクラブに通い始め、2回目の挑戦でオーディションに合格する。年によって異なるが、合格率約3%という狭き門だ。
○…成功体験に溢れているように見えるが、初めて役を得たのは同期から遅れること数カ月。厳しい稽古の後、監督から『この役は武藤でいく』と言われたときは天にも昇る気持ちでガッツポーズをしたという。滑り込みで掴んだ初めての役に嬉しさが込み上げた。『美女と野獣』で初舞台を踏み、『キャッツ』は9年間舞台に出続けた。「目標を成し遂げるのにキャリアは関係ない」。自分の存在がその証だ。
○…「人生は夢を叶えたか否かの2択」と言い切るが、その基準を決めるのは他でもない自分だ。自身が納得するまでやりきったとき、それは夢を叶えたことと同じだという。「1対1000人でなく、もっと近い距離で人と関わりたい」。多くの舞台経験を元に、現在は専門学校で芝居を教えたりライブを行ったりと精力的に活動する。どんな化学反応を見せるのか。すでに次の舞台は開かれている。
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