地域運営協議会 条例制定で設置拡大 地域住民に理解呼びかけ
今月12日に行われた横須賀市議会の本会議で、「地域運営協議会の設置及び支援に関する条例」が可決された。住民主体の街づくり組織として、既に7地区で運営されている「地域運営協議会」。地域色を活かした街の活性化や福祉活動に取り組み、一定の成果を上げている。一方、設置に難色を示す地区もあり、市は説明を通して理解を求めている。
同協議会は平成23年度、モデル地区に選定された追浜と浦賀で先行設置し、運営上の課題整理と検証を行った。その後、行政地区ごとに北下浦、衣笠、久里浜、大津、田浦、逸見で発足。各協議会は、会議運営費として、市から10万円の運営費交付金を受けている。町内会・自治会の分担金で財源を捻出し、事業費に充てている地区もあるが、来年度から事業費交付金も計上される。
抱える課題や文化が異なるため、各協議会の活動は様々。衣笠地区では、観光・商店街活性化に重点を置き、ご当地グルメの開発にも携わるなど積極的に取り組む。今後は住民の高齢化が顕著であることから、地域内での助け合い活動についても検討を進めていく方針だ。また、町内会の活性化に努める北下浦は、今年8月に町内会事業への関心を呼び掛けるチラシを作成。全戸配布を行い、約30世帯が新たに町内会に加入するなど徐々に成果が表れている。
未設置は2地区
残る地区は西地区と本庁地区。市市民生活課によると西地区は、横須賀市編入前の長井町・武山村・大楠町の区分けが現在も根強いため、3協議会の設置を検討中。本庁地区は行政構造上、9つの連合町内会を束ねる窓口がなかったことから、「他地区と比べ地域との関係が希薄だった」と同課。来年度「(仮称)地域コミュニティ支援課」を新設し、支援を図る方針だ。
協議会設置に難色を示す住民も多い。「既存の自治組織で十分。組織が増えると個々の負担も増える」との声には、地域の会合の場で制度概要や存在意義などの説明を行い、理解を求めていく方向。
12日の議会で討論に立った岩沢章夫・田辺昭人両議員も「地域運営協議会への理解が進んでいない地域がある」と指摘。地域格差を拡大させないためにも、「予算をつける以上、実施環境を整えるのは行政の役目」「理解を得るための積極的な取り組みを早急に考えることが必要」と市長へ強く要請した。
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「地域運営協議会」地域課題を住民主体で取組み、解決をめざす組織。相互協力を図るため町内会、自治会、社会福祉協議会、民生・児童委員、PTA、観光協会、商店街などで構成される。
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