『都市景観フォーラム』を主催する、よこすか都市景観協議会の会長を務める 増田 務さん 二葉在住 64歳
景観資源を地域で守る
○…「都市景観とは何か―難しい質問だね」。開口一番、そう語った。街並みの”見栄え”だけではない。路地や海辺の風景、街づくり活動など、さまざまな物が「都市景観」を形作っているのではないか―。同会が制定する『よこすか都市景観協議会賞』では、衣笠の桜守や商店街の緑化など、景観づくりに携わる活動にも焦点を当てる。「街の景観を作っていくのは、やはり”人”なんだよね」
○…横須賀市は他の自治体に先駆けて、景観に関するガイドラインを制定するなど、「都市景観」への取り組みは先進的だと評価する。同会の発足は1997年。自身が支部長を務める県建築士事務所協会横須賀支部や建築関連団体、横須賀市などを中心に活動している。建築の専門家としての知識を活かせる場所だ。昨年6月、会長に就任。「景観は街のひとつの資源。これを守り、育てていくことが大切。こうした思いを市民に訴えていくことが協議会の役割」と力強く話す。
○…逸見出身。「いちばん好きなものだったから」と、建築設計の道に進む。専門家の目線で今、国内の地方都市を見ると、降り立つ駅前の様相はどれも同じように感じる。「良くも悪くも都会化している。特色や趣きが薄れているのでは」と画一的な街づくりを危惧する。その土地ならではの景観は何か? 横須賀らしい景観とは? 来月9日に催される都市景観フォーラムでは『開国のまち浦賀〜これからの景観〜』をテーマに講演などを行う。「歴史ある景観を守り、発掘し、街の魅力につなげることができれば」。地元への思いが垣間見える。
○…「今日は千葉まで見えないね」。事務所のある浦賀のマンションからは、天気が良く空が澄んだ日は房総半島がきれいに臨める。海と山、自然に恵まれた環境を有する横須賀。こうした眺望も、この街の魅力の一つ。”守り育てる”視点で、街の景観への思いを繋いでいく。
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