横須賀市はこのほど、聖徳寺「石造 宝篋印塔陽刻(ほうきょういんとうようこく)板碑(いたび)」(田戸台)、無量寺「木造 聖観音菩薩坐像(しょうかんのんぼさつざぞう)」(長坂)、「西来寺 梵鐘(ぼんしょう)」(不入斗)の3件を新たに重要文化財に指定した。これにより市指定重文は82件となった(国指定重要文化財は12件、県指定重要文化財は13件)。
聖徳寺の石像は高さは135cm。本堂前にある宝篋印塔を陽刻した安山岩製の相模型板碑。前面下部に記された銘文から慶長15年(1610年)に建造されたことが分かる。鎌倉市の長谷寺には、これの2倍の大きさの板碑があり、江戸時代初期に両寺が交流していたことを示す貴重な資料となっている。
無量寺にある木造は像高62cmで檜材の寄木造り。製作年代は鎌倉時代末期から南北朝時代初期頃と推定される。瀟洒で穏和なすっきりとした造形表現が特徴的で、中世彫刻を今に伝える重要な作品と評価された。
西来寺の梵鐘は、境内の鐘楼にかけられている。高さ147cm、口径76・1cmの銅製鋳造。鐘身に陰刻された727文字の銘文から元禄9年(1696年)に鋳物師として活躍した太田近江大掾藤原正次(おおたおうみだいじょうふじわらまさつぐ)初代によって製作されたことがわかる。先の大戦で供出を免れた大型の梵鐘は、市内で4口だけ。妙真寺(公郷)、浄土寺(東逸見町)、持経寺(武)にもあるが、西来寺のものが市内最古となる。
横須賀版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|