日本医師会が制定する「第2回赤ひげ大賞」に選ばれた 野村 良彦さん 野村内科クリニック院長 67歳
心に応える地域医療を
○…地域に寄り添った医療を行う、現代の”赤ひげ先生”に選ばれた感想は「開業からの19年間を評価していただいて嬉しい」。最寄り駅まで3Kmという交通が不便な林地区で、かかりつけ外来と在宅医療、そして地域医療の担い手として奔走する。
○…京都で生まれ、大学の医学部卒業後、初めて赴任したのが市民病院だった。「えらくのどかな場所」というのが横須賀の印象。地域の中核病院として、体制を整えつつあったこの病院で、勤務医として最後まで勤め上げるつもりだった。しかし、「患者が病院に通院できなくなった時、病院医師として自分は何ができるのか」-次第に公務員としての限界も感じるようになっていた。「地域に根差した医療を」と平成7年、林地区に開業。以来、外来の傍ら在宅医療に力を注ぐ。在宅と言っても終末期の緩和医療、がん治療など様々。生活の場での医療は、まさにテーラーメードだ。在宅を含めた地域医療体制を整えるべく、行政や医師会、介護の現場との連携強化にも尽力する。「お互いの垣根を低くして、患者に寄り添う環境を整えたい」
○…取材の中で何度も出て来た「寄り添う」という言葉。必ず握手を求めてくるおばあちゃんや、診察よりも世間話が多い患者さん、「最期まで診てね」と冗談のように念押しする人。「接する、触れること。そして笑顔。みんな、そんなコミュニケーションを求めているんです」。ゆっくり言葉を選びながら、応じている。医療は寿命を延ばすだけのものではない。「本人の希望する形、望む生活を優先すべき。そこで医療ができることを」というのが医者としての持論だ。
○…休みなく働く中での息抜きはマラソン。フルマラソンを20回以上完走する健脚で、サッカーにも興じる。シニアサッカークラブの会長を務め、60歳以上の県リーグで優勝を収めたばかり。目指すは全国大会出場。仕事も趣味も全力だ。
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