横須賀共済病院 周産期母子センターが再稼働 「基幹病院の役割果たす」
横須賀共済病院(長堀薫院長)の周産期母子センターが、4月から再稼働している。同院は周産期医療における三浦半島の「基幹病院」に指定されているが昨年、小児科医師の減少により、その業務を縮小。緊急時は横浜市大病院などに搬送せざるを得ない状態が続いていた。同院では、医師確保の折衝を続け、今春から横浜市大病院の医師4人の派遣が実現した。これによって、小児科医師5人の体制が整い、再稼働の目途が立った。
4日に行われた内覧会で、木津りか小児科部長は「基幹病院として、周産期の救急を充実させるとともに、新生児に特化したエキスパートとして使命を果たしたい」と話す。将来的には小児科医師10人の体制を目指しているという。また、杉浦賢産婦人科部長は「速やかに安全な出産に繋げることが、母体と新生児のために必要。現状の婦人科救急に加えて、新体制での連携強化を行っていきたい」と話した。さらに、「横須賀での地域完結型の高度医療の提供に努めていきたい」と、周産期医療の拡充に、長堀院長も強い意志をにじませた。
ハイリスク分娩にも対応
同院では、今回の再稼働に併せてGCU(回復室)も増床。NICU(新生児集中治療室)での状態が落ち着いた新生児や、疾患のない低体重児専用の治療室で、退院に向けた家族のサポートも行う。NICUでの治療は母親の心の負担も大きいとされるため、心理療法の専門家を配置し、母親へのケアにも力を入れていく。また今後、MFICU(ハイリスク出産の母体・胎児のための集中治療室)の拡充も行い、基幹病院としての役割を果たしていく構えだ。
市民病院への派遣は
一方、横須賀市立市民病院の小児科では医師の確保が難航しており、4月から入院を休止している。今回、共済病院に医師派遣を行う横浜市大には、横須賀市もかねてから要請を行っていた。市では「引き続き派遣をお願いする」と話すにとどまっているが、市大と共済病院との連携が強固になっている中で、今後の見通しは厳しいとの声もある。他の大学病院に派遣を依頼すべきとの意見も上がるなど、市には医師確保を含めた市民病院の在り方、方向性が問われている。
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