落語家・瀧川一門の11番弟子として活躍する 瀧川鯉○(こいまる)さん(本名 飯盛 勢也さん) 衣笠栄町出身 27歳
次世代担う若き噺家
○…中高年世代の高尚な趣味と思われがちな落語だが、近年ではドラマや映画などの影響で興味を持つ若者も多く、その敷居は低くなっている。古典落語を得意とする瀧川鯉昇の門を叩いて今年で4年。現在は前座として高座に上がって寄席の開口一番を務めたり、師匠や兄弟子に付いて修行に邁進する。若手ゆえ粗削りだが、全身から漲る落語への熱意と愛嬌ある表情、威勢の良い語り口で観衆を落語の世界へ引き込む。
○…受験勉強の息抜きに聞いていたラジオから流れてきた巧みな話芸に一瞬で心を奪われ、大学では落語研究会に所属した。何度も寄席に通うことで「自分の道は落語しかない」と決心。就職活動はせず、この世界に飛び込んだが、”噺家の道は1日にしてならず”。入門から前座、二ツ目、真打ちと1人前になるまで平均15年ほどかかるという。今は下積みとして師匠を見て学び、反復練習の日々。「あと1年で二ツ目になる」―。決意を新たに芸を磨く。
○…落語は聞き手の感性と想像力によって成り立つ芸能だ。コントのように派手なセット転換や小道具もなければ衣装もない。ましてや何役もの登場人物を1人で演じ分ける難しさもある。「身一つ、語りだけで人を惹きつけるシンプルさが魅力」と話す。観客の反応が肌で分かるライブ感も醍醐味だ。何度失敗しても、いつも心の支えになるのは観客の笑い声と喜ぶ顔。「やっぱり会場が沸く瞬間が快感。やめられません」
○…「まさか落語家を志すなんて思ってもみなかった」。小さい頃、人前で話すことが苦手だった少年は今年3月、地元はまゆう会館で開催されたチャリティー寄席に前座として出演を果たした。ほかにも横須賀ゆかりの芸人による寄席にも参加するなど市内での活動にも積極的だ。「自分のホームは横須賀。修行の成果を見てもらうお披露目会を衣笠で開きたい」。噺家への道はまだ始まったばかりだ。
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