先生も職場体験 異業種で視野広める
事業所や施設での業務を通し、小中学生に働くことの意義を学んでもらう「職場体験」。市内でも90年代から各学校で実施されているが、実はその対象には先生も含まれる。先月タウンニュース社に職場体験で訪れた太田智弘教諭が、同じく市内で体験研修を行う教員を取材した。
この取り組みは、市立小中学校で勤続10年に達した教諭が行う「教職10年経験者研修」の一環として取り入れられている。普段と違う仕事を通して教員としての資質を向上させることが目的だ。今年の該当者は42人で、市内の図書館や病院、書店などの施設や企業で2日間の研修を行う。
長井の「植村農園」を訪れたのは、城北小の若林啓之教諭。気温30度の中、収穫されたカボチャやスイカの出荷準備に精を出した。「作物と子どもは同じ。手をかけすぎてもダメ、手を抜きすぎてもダメ。肝心な所で手をかけることが大事」と代表の植村浩之さん。汗だくになりながら研修を終えた若林教諭は、「体を動かすこと自体は好きだけど、これを毎日続けるとなるとかなり大変だと感じた」と苦笑いした。
市内唯一の牧場「関口牧場」で研修したのは小原台小の松本純子教諭。牛のエサやりや小屋の掃除などを通し「これまでも給食を残さないよう子どもたちに指導してきたが、今回動物の命を間近に感じたことで、今後はより言葉に重みが増すのでは」と話した。
市教育委員会は「各研修先で学んだことを元に、社会人としての視野を広め、子どもたちの教育に活かしてほしい」と話している。
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