8月に行われたソフトボール女子世界選手権大会で優勝した日本代表メンバー 西山 麗さん 安浦町出身 30歳
ベテランとして背負う責任
○…先月、オランダで行われたソフトボール女子世界選手権大会。宿敵アメリカとの準決勝では走者一掃のタイムリーツーベースを放ち、2大会連続3回目の世界一に大きく貢献した。「不動の2番」として06年から日本代表を務め、内野手では最年長。”走攻守”のバランスに長けた、主要メンバーの一人だ。
○…5歳のとき、心臓の働きが不十分で血液がうまく流れない「大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症」と診断された。激しい運動は医者から止められていたが、昔から体を動かすことが大好きだった。「両親は自分の気持ちを尊重してくれた。本当はすごく心配だったと思う」。田戸小で始めたミニバスは、”体と相談”が合言葉。「自分が無理をしたら家族や友人に迷惑をかける」と、練習量をチームメイトの半分に抑えた。「もっとやりたい、やれるのに」。気持ちとは裏腹に、体には大きな制限が付きまとった。
○…ソフトボールを始めたのは、「攻守制で体への負担が少ないだろう」という父の勧め。「最初は乗り気じゃなかった」が、中2のときに心臓弁移植手術を受けたのを機に、めきめきと頭角を現し、名門・厚木商業高校を経て実業団の日立ソフトウェアへ。初めは「何をするのもがむしゃらだった」が、入社から10年以上経ち、求められる役割も変わってきたという。決して言葉数が多いタイプではないが、話を聞く姿勢や練習中の態度など、「後輩から口うるさいと思われても伝えていかないと」
○…直近の五輪種目から外されたソフトボール。練習や合宿などの強化費用が削減され苦境に立たされているが、20年の東京五輪種目の最終選考に残るなど、明るい兆しが見えてきた。「五輪は一番の大舞台。(種目復活は)若い選手の明確な目標になる」。今も持病を抱え、毎年「引退」の二文字がよぎるが、そのプレーは年々磨きがかかる。チームの大黒柱は、今も成長を続ける。
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