市内に現存する数少ない茅葺屋根の古民家「市立万代会館」(津久井2の15の33)で4日、建物の生い立ちや構造などを紹介する見学会が行われた。市民グループの横須賀建築探偵団のメンバーが案内を担当、関心を寄せる市民約40人が熱心に耳を傾けた。
同会館は戦前戦後を通して経済界で活躍した万代順四朗氏が、トミ夫人のために購入した別邸。建築時期は不明だが、70年以上が経過していると見られている。
内部は民家風数寄屋造りで、全ての部屋が南から陽光を受けるように設計されているほか、玄関の明かりとりや面格子などに時代を感じさせるデザインを残していることが説明された。
夫妻が亡くなった後は、トミ夫人の遺志で昭和53年に市に土地建物が寄贈され、今に至るまで市民の文化活動の場として利用されている。初めて訪れたという女性は「郷愁を誘うような趣のある家屋と整然とした日本庭園が住宅街の中にあるとは知らなかった」と驚きの声を漏らした。
保存状態は限界
見学会では建物の老朽化が進み、茅葺屋根が限界に近い状態にあることも報告された。耐震性の不安なども抱えているという。こうした事情に加え、利用状況が低調であることなどを理由に、横須賀市は将来の公共施設配置を見直す計画案で同会館を廃止対象としている。この日訪れたトミ夫人の姪にあたる饗庭(あえば)洋子さんは「建物自体を存続させることは困難だろうが、寄贈の遺志を受け継ぐ形で土地の活用を検討して欲しい」と話していた。
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