神奈川県は県立観音崎公園の再生計画の一環として、来園者を迎える新拠点「観音崎新パークセンター」の整備を進めている。明治期に東京湾要塞の弾薬庫だった歴史的建造物を活用し、園内とその周辺を訪れる人の窓口として機能させる。昭和の大戦終了まで首都防衛の役割を担った観音崎の歴史資料なども展示していく方針。今夏のオープンを予定している。
今夏の開設を予定
同公園の再生計画は2012年に方針が打ち出され、すでに事業化されている。老朽化が進み危険度が増している施設や遊具の更新(解体撤去)を行いながら、自然・歴史・里山体験といった新たなゾーンニングで魅力や利便性を高めていく。現在、年間80万人の来園者を100万人に底上げする数値目標も掲げている。
新パークセンターの建設は、同再生計画の目玉事業のひとつ。2012年の3月末で閉鎖された「観音崎青少年の村」で宿泊施設やホールとして使用されていた建物3棟のうち、正門に相対する1棟を同センターとして先行開設。構造物を極力活かしながら新たな拠点としていく。建設費用は約1億円。残りの2棟については、工事時期は未定だが、宿泊のできる研修施設などに改装されるという。
いずれの建物も明治期以降に弾薬庫として使用されていた戦争遺産で、歴史的価値が高い。「青少年の村」時代に改修が行われているが、基礎や骨組みは現存しており、レンガ壁も建設当時のままの姿をとどめている。湿気を防ぐ目的とされる基礎部分のアーチ構造も健在だ。ただ、建物は損傷が激しい部分も多く、作業がずれ込んだため、開設時期は当初の今年の春から夏に変更された。
新パークセンターの完成後、観音崎自然博物館の隣にあるビジターセンターが機能を移転。ここを拠点に、自然と戦争遺産などに着目した体験学習やイベントを実施していく。
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