縁の下からチーム支える
「もし自分が試合に出られなくてもチームが勝てれば嬉しい」―。そう語るのは主将で投手の竹下颯(3年)。チームには140キロの直球を放つ石井翔(3年)が絶対的エースとして君臨し、2番手の田沼風樹(2年)は変化球を投げ分ける技巧派で安定感がある。自身は3番手。出場機会は決して多くない。それでもレギュラーの塚本浩太郎(3年)は「竹下がチームの中心」と断言する。
1年生の時から2年後を見据えていた。風通しの良い環境を作るため、同期を集めミーティングを実施、今では控え部員も遠慮なくレギュラーに意見を言えるチームになった。また、学校から専用グラウンドまでのバスの移動中に、体を大きくするため補食を提案。1年でチーム平均6kg増した打線は鋭い打球を連発するようになった。野球のセンスが飛び抜けているわけではないが、こうしたチームを変える力、控えの思いを汲み取る姿勢などに「55人いる全部員の信頼は厚い」と塚本は話す。
樫平剛監督は「出会った時に主将にしたいと感じた」。3年前、高校野球の監督として、竹下が当時所属していた中学生チームに話をする機会があった。真剣な眼差しで話を聞き、何かを得ようとする姿に主将の素質を見出し、直感でチームに迎え入れた。「誰よりも怒ってきたが、必死に自分と選手のパイプ役になってくれた。だからこそ一番信頼している。声をかけて良かった」。その思いを竹下も理解している。「監督は僕の恩師」。そんな師弟2人の夢は同じ、「横須賀から初の甲子園」だ。
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