公郷町にある県立横須賀高校は、来年2月に行われる平成28年度の入学試験から、教科横断型の「特色検査」を導入する。通常の5教科に加え、情報活用力や分析力など、特定の教科の知識だけでは解けない「総合力」を問うことが目的。市内の高校では初の試みとなる。
県内の公立校で導入されている特色検査とは、調査票や学力テスト、面接ではわからない能力をその学校独自の基準で測る試験。「実技」と「自己表現」に分かれ、 主に実技は体育・芸術系コースの入試で実施。一方、自己表現は、普通科などで行われ、教科横断型の記述式問題やスピーチ、英語での質疑応答などの種類がある。入学者選抜制度の改定に伴い25年度から始まったもので、学区撤廃や少子化の影響を受け、各校「選ばれるための特色づくり」として入学後を見据えた学力・技術向上を狙う。
現在取り入れている全日制普通科高校は、県内で10校(専門コース、クリエイティブスクール除く)。横須賀市内では同校が初で、横浜市では、横浜翠嵐や横浜緑ヶ丘などの進学校がすでに実施している。川口吉秋校長は、「社会や世界に出ても通用する、総合力のある生徒を求めたい」と導入理由を説明する。
総合力を問う
通常の入試では、調査書・学力検査・面接のみで選抜するが、特色検査実施校では、これに各校独自の試験をプラス。古代エジプトに実際にあった石柱の活用法を分析し記述させる問題や、6合枡から2合分の液体を量る方法を算出させる問題など、ジャンルはさまざま。5教科の垣根を超えた、情報活用力や論理的思考力などが問われる。
今月5日に横須賀高校で行われた入試説明会には、生徒やその保護者ら約110人が参加。「市内でも初めての試みとあって、関心を抱く関係者が多かったのでは」と教諭の一人は話している。
対策乗り出す塾
三浦半島地区屈指の進学校の導入に、塾サイドも対策を講じている。大手進学塾「臨海セミナー」の飯沼徹さんは、特色検査の難しさについて、「文系や理系など、どちらかに特化した知識だけでは通用しない。いかにその場で対応できるかが重要で、学校によっては問題量が多く作業力が問われることもある」と説明。模試や他校の過去問題を通じて、傾向に慣れさせる対策と取るという。同校の近隣にある個人指導塾の担当者は、「横須賀高校が独自入試を導入した平成19年度は、難化が予想され低倍率になった。今回も同様の可能性があるのでは」と話している。
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