三浦一族と会津地方の関わりは、800年以上前に端を発す――。横須賀市と福島県の会津若松市が2005(平成17)年に友好都市となり今年で10年、今月6日には、メルキュールホテルで記念式典が行われた。吉田雄人市長は「会津藩士の士風が根付く会津若松市と友好関係を続けていきたい」と挨拶。室井照平・会津若松市長は「震災や原発被害の支援活動には感謝の言葉しかない。今後は恩返しをしていきたい」と話し、今後の変わらぬ交流を誓った。
横須賀に眠る会津藩士
1189(文治5)年に三浦大介義明の息子が源頼朝から合戦の褒美として会津4群を与えられたことが、三浦一族と会津地方の最初の関わりだという。1810(文化7)年には、江戸幕府に浦賀周辺の警備を命じられた会津藩が、相模国に陣屋や藩校を構えた。横須賀で生涯を閉じた藩士やその家族も多く、現在も70基以上の墓が市内に残っている。2005年に友好都市となってからは、物産展への相互出展や清酒のコラボ製作、漁業体験への招待など交流を深めてきた。
今回会津若松市からは室井会津若松市長をはじめとする88人の市民団が来訪。式典前には会津藩士らの墓がある鴨居の腰越墓地を訪れ、同市の市木である「アカマツ」の植樹を行った。式典では、吉田市長は「義理人情に厚く、幕末最後まで徳川幕府を支えた会津藩士の士風が根付く会津若松と今後も更に絆を深めていきたい」とスピーチ。室井市長は3年前に両市間で災害時相互協定を結んだことを挙げ、「自身の成果の一つと捉えている」と話した。
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東日本大震災の影響で観光客が激減し、経済的にも大きな損失を被った会津若松市。横須賀市と市議会、商工会議所は同市を応援するため、2011年に「会津若松応援団」新たにを設立した。「よこすか産業まつり」での名産品販売や、物産展の開催、観光ツアーの企画、文化交流活動などを積極的に展開している。
横須賀と会津若松の両市の共通点は?
会津若松市長にインタビュー
横須賀との共通点は
――奥深い歴史もそうだが、「情報活用」を推進している点。横須賀市のYRP施設に対し、本市では情報技術に特化した会津大学短期大学部という公立短大がある。
地方都市人口減について思うところは?
――「自分たちの街にどれだけ愛着が持てるか」が大事だと考える。それに繋がる街づくりや、学校教育の段階で子どもたちの郷土愛を育てていく必要があるのではないか。そうした活動を率先して行っていきたい。
※この記事は、タウンニュース横須賀支社に職場体験で訪れた長沢中学校の西村美緒さん、西美優さん=写真=の取材を元に作成しました。
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