「これだけ長く見ている梅だもの。愛着がわくよ」―。田浦梅の里(田浦大作町)へ通じる道にある創業50年の写真店「石渡カメラ店」のホームページには毎年、梅の開花情報が掲載されている。その更新は「最低でも週1回以上。そうでないと、意味がないよ」と同店の店主・石渡文吉さん(77)は話す。
開花の最新状況を載せ始めたのは、約20年前。「パソコンを手にして、続ける日課がほしい」と、店から約5Km先にある梅の里に目を付けた。「地元ならではの情報は梅の開花速報だ」。シーズン初めは元旦に妻と二人で午前中に梅の里へ登り撮影し、その日のうちにアップ。新緑が茂る4月半ばまで発信し続ける。さらに周辺の観光地図を毎年1月、最新版に改定。このサイクルでやってきたが、約10年前に妻が体調を崩し、文吉さんも病を患った。「もう夫婦で登れない。気持ちもしんどい」。7年前から開花情報のページは、近所の人に委ねることにした。
澄んだ空に一輪の梅
しかし、夫婦は健康を取り戻し、3年振りに今年の元日に2人で梅の里を登った。「初めて夕方に行ったが、景色が澄みわたり東京湾のアクアラアインがはっきり見えた。梅も1輪だけ開いていた。今まで何度も登った梅林だが、全てが初体験だった。今年は楽しみ」
暖冬と言われる今シーズンだが、田浦梅の里の開花状況はほぼ平年並み。今上天皇の誕生を祝って1934年に植えられた梅を含む約2700本が、今年も2月中旬から開花の最盛期を迎える。毎年恒例の「田浦梅林まつり」は2月13日(土)から3月13日(日)まで開催。親子たこあげ大会や、俳句、写真の展示会など様々なイベントが開かれる。駐車場がないので公共交通機関の利用で来場を。JR田浦駅下車徒歩25分。
問合せは、田浦観光協会【電話】046・861・4181
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