今月17日に行われた第１回市議会定例会の提案説明で、吉田雄人市長は「完全給食の実現に向けて、検討をスタートすべき時期に来ている」と話した。市が今年度中の全校実施を目指していた、中学校の「スクールランチ」は、実質見送りとなった形だ。
現状の中学校での昼食は、弁当持参のミルク給食が基本。保護者などから完全給食（＊）を求める声が広がる中、市は従来の学校内での弁当販売「スクールランチ」を充実させる方針を崩していなかった。昨年・一昨年の計３回、試行事業を行ったが価格や内容、注文方法、提供事業者との調整の難しさなど、課題が山積していた。
これを受けて、昨年夏に「昼食に関するアンケート」で意向を調査。小中学校保護者の約７割が、小学校のような「完全給食」の支持を示した。さらに、同アンケートでは、経済的な理由により昼食を取れない生徒がいるという現実も浮かび上がっていた。「これまでの市議会の議論や意見、アンケートの結果などから、給食ニーズは高いと認識した」と吉田市長。今後は、総合教育会議などで議論し、方向性を検討していくという。
近隣自治体でも導入
県内でも、完全給食の実施に向けた動きが加速している。川崎市では、校内に給食室を設けた自校方式と給食センター方式を併用。すでに１校で試行しており、来年度中には全校実施となる方向だ。また、逗子市では「ランチボックス式」のデリバリー給食を導入、藤沢市でも同様の試行事業が行われている。
＊完全給食とは、ごはんなどの主食とおかず、牛乳を提供するもの。
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