昨年1月に策定された横須賀市の「施設適正化計画」が、着々と動き出している。市長や部局長からなる公共施設適正化推進本部を立ち上げるとともに、分野別実施計画の素案作りが進む。廃止・集約移転の対象となっている施設と地域住民に関してアンケートや説明会が行われているが、「利用者が内容を知る機会が少ない」との声も上がっている。
人口減少や厳しい財政状況を踏まえ、市内の公共施設の総量を縮減する「施設適正化計画」。対象となるのは348施設。中長期(10年)から長期(20年)、超長期(38年)の期間に分けて、廃止や機能移転、統合・縮小を示している。
市はこれをもとに、「小中学校」「文化会館・はまゆう会館」「児童図書館・青少年会館」「ウェルシティ市民プラザ」など、分野別の実施計画を策定する部会を設置。さらに今年3月から、計画素案を作るための説明会を、地域運営協議会(地運協)などの席上で行っている。
青少年の家やコミュニティセンターなどを対象としており、「地域の代表が集まる場を利用し、事前説明と意見交換を行っている」と市資産経営課。該当施設の担当者も出席し、説明する形をとっている。会自体は公開されているため傍聴は可能だが、一般市民が意見を述べることはできない。
地運協会議の冒頭に行われる説明会は今月30日(月)開催の浦賀・鴨居地区(対象施設は浦賀コミュニティセンター分館・浦賀/鴨居青少年の家)で終了。市担当課では来月以降、施設ごとの素案を順次策定し、利用者等に意見聴取を行っていくという。
利用者への説明は
廃止対象となっている施設で保存活動を行う市民のひとりは「こうした説明会が行われることは知らされていなかった。席上、どのような内容で意見交換されたのか分かりやすい形で公開してほしい」と話す。市議からは「地域の代表だけでなく、利用団体にも声をかけるべき」との意見もある。実際に、傍聴者が2人という説明会もあったという。2月には、本庁地区にある公共施設の集約・移転に関するアンケートが行われたが「実施していたことを知らなかった」「周知されていない」といった利用者の声もあった。
市民団体「ヨコスカをよくする会」の呉東正彦さんは「説明や意見交換をもっとオープンにすべき。市民が納得できる合意形成が必要」と話す。同団体ではこれまで、適正化計画に関して識者を招いた討論会などを実施しており、7月には「市民参加による施設の再配置と市街地活性化」をテーマにシンポジウムを行う予定だ。
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